2009年1月31日土曜日

1/31 Today 余の懸弧の日なれど特になにもなく……

平成21年1月31日(土)、余の懸弧1の日なれど午後北の方を南蛮渡来食糧勧工場に幌汽車にて送迎せしほかは特になにもなく長閑なる日なり。瓦版は世界の政治情勢を賑々しく報じ居るも、紅旗征戎わが事にあらず2
。HTMLコードをいじって遊ぶ。

脚注の実験。脚注番号クリックすると当該の脚注が表示されます。

最近、外出は出来るだけ控えているのだが、昨夜出かけたあるパーティーでブログを見ていただいている大先輩からいろいろ苦言を頂いた。散人は素直だから出来るものはすぐ実行しました。

大先輩の苦言とは:
  1. 「ブログが二つに分かれているのは面倒くさい。なんでそんなことになっているのか?」……おっしゃるとおりです。さっきのエントリーに書いたように一つに統合しましたです。
  2. 「コメントを書こうにもやり方が複雑だ、やっと書いたと思ったら表示されない、なんたることだ!」……Blogger が悪いのです。コメント投稿欄にある「Open ID」とかは無視して、二番目の「名前・URL」を選んでコメントしてください。URLはオプションですのでURLなしでもコメントできます。Blogger の日本語説明が稚拙なんです。それからコメント表示ですが、さっそく二週間以内のエントリーに対するコメントはモデレーションなしに自動掲載するように設定を変えました。これからはすぐに表示されるはずです。
  3. 「最近視野が狭くなっているぞ。農村の悪口もいいがもっと世界情勢を論じろ!」……これはもう実力だからしかたがないです。世界情勢を論じていらっしゃるエライ方々がたくさん居られますので、おいらみたいなロートルの意見なんかはネットを汚すだけ。出来るだけ身丈にあったこと、身体的に手応えを感じることを書いていきたいと思います(ノーソンの悪口を書くと農村ウヨからいろいろアホな反応があるので面白くって「手応え」を感じるのです。ハイ)。
  4. 「文学少年の真似は止めろ!」……いやいつまでも「紅顔の美少年」で居たいので、無理して文学少年の真似をしているんです、ハイ。
  5. 「人が死んだ日のことばかり書くな、鬱陶しい!」……最近新聞を読んでも真っ先に死亡欄に目が行くようになりました。歳ですね〜。



まあ、もっと視野を広げてみることは必要か。努力します。












脚注:

1. 懸弧 : 「懸弧」とは、昔中国で男の子が生まれると壁に弓を掛けて祝ったという習慣から來ているようで、子供が生まれることをいいます。
「礼記−射義−」考 第四 古代中国における礼と弓a1a3b1 - kenさんのBLOGS - Yahoo!ブログ: "「禮記」中の内則(だいそく)第十二には息子(男子)が生まれたらドアの左側に弧(桑の弓)を一張り懸ける、「懸弧」とあり、成童(十五歳)になると射御(弓術と馬)を習うのが義務である、と述べている。(注1)これは「弓術は男の仕事である」という意味で、弓術は男性に必須の科目であり、必ず備えなければならない能力であるということを意味していた。"


2. 紅旗征戎わが事にあらず :
w-bungaku6: "四百年間続いた平安王朝の終焉。平家の栄枯盛衰。終わるはずもないと思われていたものが終わる。確かだと思われていたものが夢と消える。時代が大きく変りゆく中、定家は歌にかけた。

  「紅旗征戎(こうきせいじゅう)、わが事にあらず」
【訳】真っ赤な戦争の旗も、敵を征伐する事も、この私には何の関係もない。  "
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二つに分かれていたブログを一つにまとめました

iBlog が壊れてからの新しい小生のブログは Letter from Yochomachi (Blogger) と Letter from Yochomachi (Google) の二つに分かれていましたが、どうも評判が悪いし、書く方としても使いにくいので一つにまとめることにしました。やり方はここに書いてありますが、実に簡単です。日付やラベルも Blogger の方でソートしてくれますので自然な形で結合されます。インポートするデータ量は 2MB ほどあり時間が掛かるかな〜と思ったのですが一分もかからないうちに完了。余は満足じゃ。

二つに分けていた理由は、Blogger の方では従来路線で、Google の方では何か柔らかい新機軸路線でもやろうかな〜と考えたものですが、結局は古いブログのカテゴリーを分割しただけのものとなり、両方とも同じような内容で、複数カテゴリーに関連するエントリーのラベル付けが却ってやりにくくなってしまったもの。Google の方のブログデータは残しますが、今後このブログ、すなわち Letter from Yochomachi (Blogger) のみで更新してゆきたいと思います。

いろいろ混乱させて申し訳ありませんでした。

2009年1月30日金曜日

1/30 Today イングランド王チャールズ1世の処刑(1649)

チャールズ1世 (イングランド王) - Wikipedia: "チャールズ1世(Charles I, 1600年11月19日 - 1649年1月30日)は、イングランド、スコットランド、アイルランドの王(在位:1625年 - 1649年)。

チャールズは父同様王権神授説を信奉し、議会と対立した。1628年、議会に「権利の請願」が提出され、課税には議会の承認を得ることを求められた。これに対しチャールズは一旦は請願受託の署名を行うが、翌年議会を解散、議会の指導者を投獄し、専制政治を行った。

1640年、スコットランドの反乱鎮圧のための戦費を得る目的で11年ぶりに議会を招集したが、議会は国王批判の場となった(短期議会・長期議会)。1642年1月、チャールズは反国王派の5人の議員を逮捕しようとして失敗。ついに議会派と王党派の内戦が勃発した(イングランド内戦、ピューリタン革命)。内戦は当初、互角あるいは王党派が優位であったが、オリヴァー・クロムウェル率いる鉄騎隊の活躍で王党派が各地で打ち破られた。1646年5月、チャールズはスコットランド軍に降伏し、囚われの身となった。一旦は脱出したものの、1648年11月、チャールズは再び議会軍に投降した。

1649年1月27日、裁判によってチャールズの処刑が宣告された。1月30日、自らルーベンスに内装及び天井画を依頼したホワイトホール宮殿のバンケティング・ハウス前で公開処刑され、チャールズは斬首された。"
イギリスでは議会の承認なしに税金をかけるとたとえ王様でも首をちょん切られるのです。

「それに引き替え」わがニッポンでは、立派な「消費税」であるコメの値段や食い物の関税が「内輪サークル」の都合でどんどん決められてしまう。首をちょん切ろうにも、敵は集団で人数が多いから、始末が悪い。

2009年1月29日木曜日

内山節は西原理恵子に学ぶべきだな……日経夕刊の大甘インタビューを読んで

今日の日経夕刊では、エライ哲学者の内山節先生が「働くと言うこと」と題して蘊蓄を傾けておられる。「他者と結び合うことこそ労働である」とのご託宣。「正直」とても甘いと思う。

内山節は言う:
  1. なぜ人は働くのか。いま働くことの意味が根源的に問われている。
  2. 働くことの意味は根源的に他者と結び会うことにある。昔から人間は農業などを通じ、自然や地域と結び合い、そのなかで自分の役割をこなし、充実感を抱いてきた。
  3. その価値観は近代資本主義社会で破壊されたが、最近それが見直され、イナカの中学生はみんな大工やパティシエになりたがっている。サラリーマンにはなりたくないという。その通りで、健全な傾向だ。
  4. いま自分はイナカの田畑を持って自給自足生活。「哲学を領域とする作家」で食っている。とても幸せ。大企業に就職する若者の人生は悲劇だ。

「趣味の園芸」を楽しめて、その上「生活費」まで稼げれば、けっこうですね〜。おいらも真似したい。でもみんながそれを真似すると、日本経済は成り立たなくなってしまう。「趣味の園芸生活」とか「悠々自適の生活」とかは誰かがその費用を負担することが前提となっているからだ。内山節の言う優雅な自然的生活とは、しょせん他人のお金を当てにする生活であり、甘いのである。人間はアダムとイブの時代から、神様から苦しい辛い「労働」を課されている罪深い存在なのだ。労働とは太古の昔からそんな甘いものではないのである。趣味の仕事で「労働」が成り立っているとすれば、それは既得権益集団のごり押しのおかげ。ニッポンにはこれが多すぎるのが問題。

バブル時代には内山節のような甘い考えも通用しただろうが、生きるか死ぬかの今の時代ではそんなことはない。内山節は西原理恵子の爪の垢でも煎じて飲んだらどうだ! これ:

Letter from Yochomachi (Google): 『この世でいちばん大事な「カネ」の話 』(西原理恵子)……これ良書!: "、彼女の人生哲学をホントに正直に書いている。今の世の「自分探し」とやらに惚けている甘ったれた若者は、ぜひこの本を読んでほしい"

西原理恵子は、マスコミがもてはやす流行「哲学者」以上の「哲学者」なのである。個人的には圧倒的に彼女の方を採る。

1/29 Today レオナール・フジタ(藤田嗣治)の忌日(1968)

藤田嗣治 - Wikipedia: "藤田 嗣治(ふじた つぐはる、Leonard FoujitaまたはFujita, 男性, 1886年11月27日 – 1968年1月29日)は東京都出身の画家・彫刻家。現在においても、フランスにおいて最も有名な日本人画家であり、明治以降の日本人芸術家で藤田嗣治ほどの成功を海外で収めたものは他にいない。猫と女を得意な画題とし、日本画の技法を油彩画に取り入れつつ、独自の「乳白色の肌」とよばれた裸婦像などは西洋画壇の絶賛を浴びた。エコール・ド・パリ(パリ派)の代表的な画家である。

戦時中日本に戻っていた藤田には、陸軍報道部から戦争記録画(戦争画)を描くように要請があった。国民を鼓舞するために大きなキャンバスに写実的な絵を、と求められて描き上げた絵は戦場の残酷さ、凄惨、混乱を映しており一般に求められた戦争画の枠には当てはまらないものだった。しかし、彼はクリスチャンの思想を戦争画に取り入れ表現している。

戦後になり、日本美術会などにより半ば生贄に近い形で戦争協力の罪を非難された彼は、渡仏の許可が得られると「日本画壇は早く国際水準に到達して下さい」との言葉を残してパリへ向かい二度と日本には戻らなかった。フランスに行った後、「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」とよく藤田は語った。その後も、「国のために戦う一兵卒と同じ心境で書いた」のになぜ非難されなければならないか、と手記の中でも述べている。

パリでの成功後、そして戦後と、生前の藤田はついぞ日本社会からは認めてもらえなかった。近年になってようやく藤田の回顧展が日本でも開かれるようになった。"


フジタの戦争画の多くは(普通のフジタの画とともに)竹橋の国立近代美術館に常設展示されているが、立派なものである。戦後、日本画壇はフジタを痛烈に批判したが成功者に対する嫉妬からに過ぎない。いまだに世界的に知られている日本の画家はフジタしかいないのだ。ああいう閉鎖的サークル(画壇とか文壇とか)はいやらしい。

今やっているフジタ巡回展:

http://leonardfoujita.jp/#schedule

2009年1月28日水曜日

野村「ハイイールド投信」が人気だという……おいらは止め!

日経新聞によると、売り出し直後で1000億円の枠が売り切れたという:
【本日の投信設定】野村米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型...|国内籍投信|投資信託ニュース|ヘッジファンドクルーク -HEDGE FUND KLUG-: "野村アセットマネジメントは28日より、米ドル建てのハイ・イールド債に投資し、為替ヘッジをする通貨を7種類から選択可能な「野村米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型)」の運用を開始した。"
おいらは見送った。

ブラジルレアルでヘッジすれば軽く30%、円でヘッジしても年率10%のリターン。

でも大元の「ハイイールド債」とやらが高リスクであるから金利が高くとれるに過ぎない。同じスキームで米国国債を買えば、円にヘッジすれば金利は日本国債並みになってしまう。なんだってこと。レアルにヘッジしたら高リターンっていうのも同じ理屈。

今後、企業倒産が世界的にどんどん出てくる。だから高い金利でしかダメ企業は調達できない。やみくもに高金利になびく「金利豚」は必ず自滅するとはタブレの証言。金利が高いのには理由があるのである。

低金利時代に一番確実な利殖方法は「節約」。あくどい利権集団にボラれるだけの商品(国産農水産物など)への消費を控えるだけで、絶対確実な現金リターンが日常的に確保できる。これが出来ない人は、例えば一本100円のネギを安いと思って買っているような人は、確実に人生の「負け組」になってしまい、悲惨な老後を送ることになる(今の金利では100万円の資産でも年数百円の金利収入にもならない。高いネギを毎日買うのは毎日100万円の資産をドブに棄てているのと同じこと)。これ人生の苦みを知っている年寄りの忠告。メモであるぞ。

麻生太郎「施政方針演説」……なかなかよかった!

ダメな総理大臣の代表となってしまった麻生太郎だが、今度の施政方針演説は簡潔で明快なのでよかった。全文:
【施政方針演説全文】(3) (1/3ページ) - MSN産経ニュース

特に「平成の農地改革(所有から利用)」を明言したところがいいな。

現在ニッポン農業の根本問題は土地所有問題にある。稀少農地が極端に細分化され、しかもその地主の権利が極端に保護されているのが諸悪の根源なのだ。今のニッポンの農政は、まるで団結小屋でメガホンで叫んでいる「成田空港の一坪地主」に日本中が振り回されているような状態。趣味の園芸に徹する「一坪地主(0.2ヘクタール以下の零細農家)」でも年収500万円ぐらいの総所得がなんやかやで保障されている。コストを払うのは都市勤労者。これではどうしようもないのである。

1/28 Today ヘンリー8世が死ぬ(1547)

ヘンリー8世 (イングランド王) - Wikipedia: "ヘンリー8世(Henry VIII, 1491年6月28日 - 1547年1月28日)はテューダー朝のイングランド王(在位:1509年4月22日(戴冠は6月24日) - 1547年1月28日)。

ヘンリー8世はルターの宗教改革を批判する「七秘蹟の擁護」を著した功で、教皇レオ10世から「信仰の擁護者」(Defender of the Faith)の称号を授かるほどの熱心なカトリック信者であったが、後にキャサリン王妃との離婚およびアン・ブーリンとの再婚を巡る問題から教皇クレメンス7世と対立。側近であるトマス・クロムウェルの補佐を受け、1533年には上告禁止法を発布し、イングランドは帝国であると宣言し、教皇クレメンス7世に破門された。1534年には国王至上法(首長令)を発布し、自らをイギリス国教会の長とするとともに、ローマ・カトリック教会から離脱した。

妃やトマス・モアをはじめとする側近を次々と離別・処刑し、カトリック修道院の財産を没収するなど苛烈な人物であったが、イングランド王室の権威確立に寄与した。"


エライ人かも知れないが、強すぎる王様は困る。やりたい放題になってしまうから。

2009年1月27日火曜日

スーパーの野菜が高い(安い輸入野菜がなくなってしまった)、如何に対処するか?

世界大不況と円高のなか、いろんなものが値下がりしているのは大歓迎だが、野菜だけは高くなっている。どうしたことか。

例の「毒入り餃子事件」で中国野菜が小売店やスーパーからボイコットされたことが原因らしい。おかげでニンニクやニラなどの野菜は中国からの輸入が途絶えたため一時は18倍にまで卸値が跳ね上がったという。国内農家は大儲け。でも消費者にとっては困ったものだ。

スーパーや小売店は「毒餃子事件」が幸い(?)して今や完全に国産野菜にシフトしたという(日経新聞)。とにかく「ヘンなやつ(農村利権暴力集団)とのトラブルはできるだけ避けたい、主婦はNHKテレビを見ているので国産信者となっている、値段が高くなるがみんなが一緒に値上げすれば損はしない」という業者側の計算だろうが、普通の消費者は余分にお金を払わされることになってぼられている気分(いや気分ではなく、まさにぼられている)。

散人流の対処法をご紹介:
  1. 野菜は普通のスーパーではなく業務用スーパーで買う。輸入野菜を売っている。冷凍野菜やトマトジュースやシュクルートなど輸入缶詰を買うのもいい。
  2. 生鮮野菜は出来る限り食べない。どうせ国産野菜には土壌学的な要因からミネラルが含まれていないからサプリメントを飲む方が合理的。食物繊維が気になるならオートミールを食えばいい。
  3. 生鮮野菜は出来るだけ外食チェーンで食べる。外食チェーンは安全で栄養がある輸入野菜を使っているので、自宅で国産野菜とやらをを調理して食べるより安くつく。

みんながどんどん損をする世界大不況。みんな自衛手段を講じなければ、自分だけが「負け組」になってしまう。

1/27 Today 源実朝が暗殺される(1219)

源実朝 - Wikipedia: "建保7年(1219年)1月27日、雪が二尺ほど積もる八幡宮拝賀の日を迎える。御所を発し八幡宮の楼門に至ると、北条義時は体調の不良を訴え、太刀持ちを源仲章に譲る。夜になり神拝を終え退出の最中、「親の敵はかく討つ」と叫ぶ公暁に襲われ落命した。享年28(満26歳没)。公暁は次に源仲章を切り殺す。太刀持ちであった義時と誤ったともいわれる。実朝の首は持ち去られ、公暁は食事の間も手放さなかったという。同日、公暁は討手に誅された。"


殺伐とした血みどろの時代。公暁にしても父親(頼家)を、ああまでむごたらしく殺されては復讐するしかなかったのだろう:
伝説を読む: "僧慈円の「愚管抄」では、(賴家は)「トミニエトリツメザリケレバ 頸ニヲ(緒)ヲツケ フグリヲ取リナドシテ コロシケリト聞コエキ」と書かれています。"

フグリとはキンタマのこと。こういう殺し方は、野蛮な中国やパレスチナやアッシリアの歴史にも書かれていない。鎌倉武士は勇猛果敢且つ獰猛。

2009年1月26日月曜日

「稲作の規模拡大が急務」(本間正義)

今朝の日経「経済教室」。本間正義が主査を務めた日本国際フォーラムの日本農業の戦略に関する政策提言の骨子がまとめられている。要旨を備忘録としてメモしておく。




要旨:
  1. 政策の抜本的転換が必要である。
  2. 食料自給率の数値目標だが、市場を無視して自給率の低い麦や大豆への生産誘導で数値を上げたところで、食料の安全保障が確保されるわけでもなく、農業が活性化されるわけでもない。
  3. 世界の発展途上国が食糧難で苦しむなか、日本は減反で生産を抑制し、世界にその異質ぶりを晒した。
  4. 現在のコメ生産は年間800万トンほどだが、コメは潜在的に1200万トンの生産が可能。
  5. しかし、作付け面積が5ヘクタール以上の農家は2%にしか過ぎず、0.5ヘクタールに届かない農家が42%にのぼる。小規模農家ほど高齢化が進んでいる。
  6. 1ヘクタールに達しない農家の農業所得は赤字だが総所得は300〜500万円。農業所得が総所得の5割を超えるのは5ヘクタール層からで、20ヘクタール以上では農業所得は1100万円を超える。
  7. でも面積あたりの経営費は規模が拡大しても大きくは下がらない。
  8. 小規模・赤字でも稲作を続ける理由は、自家消費用の生産のためとか、相続税・固定資産税の節税のためとか、将来の農地の転用収入のためとか、単に農業は趣味だからとか。
  9. 規模拡大しても現状は経営農地が分散しているので効率的経営がなされていない。
  10. 100ヘクタール規模の農家の育成が急務である。そのための経済特区化を含む提言をまとめた。内向きでは未来はない。

上に添付した表は農林水産省のもの(クリックで拡大)。現代ニッポンでは、ままごとみたいな「日曜園芸」非効率農地でも農家が「食えてしまう」ところに諸悪の根源がある(消費者と納税者がその高いコストを負担している)。以前NHKが「イギリスの農業はたくさん補助金を貰える、ニッポンも見習え」みたいな「農村媚びマクリ」番組をやっていたが、イギリスでは一番困窮している零細農家といっても農地の規模は100ヘクタール。応援演説をぶたせるために呼ばれたゲストの金子勝が、NHKの意図に反して「それにしても広いですね〜」と妙に感心していたが、問題の本質はここにあるのである。

ニッポンの極小規模農家が農業をやめない理由は、現行制度では零細農地を所有し続けることに強い金銭的インセンティブが働くからだ。この制度を廃止する(あるいは機能しないような状況を作り出す)ことが先決ではないか。

1/26 Today 法隆寺金堂壁画が焼ける(1949)

法隆寺金堂壁画 - Wikipedia: "1949年(昭和24年)1月26日の早朝、金堂に火災が発生した。当日の東京日日新聞および報知新聞の報道によれば、午前5時頃に住職の佐伯定胤が朝の勤行を行った際には異状がなかったが、午前7時20分頃に出火し、午前9時前後に鎮火。原因については、公式には壁画模写の画家が使っていた電気座布団から出火したとされているが、模写に使用した蛍光灯用の電熱器が火元とする説、放火説などがあり真相は不明である。"


人間が作ったモノはやがて滅びる。永遠に形が残るものは金(Au)と精神だけだ。

2009年1月25日日曜日

1/25 Today 小林一三が死ぬ(1957)

小林一三 - Wikipedia: "小林 一三(こばやし いちぞう、1873年(明治6年)1月3日 - 1957年(昭和32年)1月25日)は日本の実業家。阪急電鉄・阪急百貨店・阪急東宝グループの創業者。山梨県出身。慶應義塾卒。阪急ブレーブス、宝塚歌劇団の創始者としても知られる。

鉄道に加えて「乗客は電車が創造する」という言葉を残し、鉄道沿線の住宅地開発・百貨店経営など幅広く関連事業を経営し、沿線地域を発展させながら鉄道事業との相乗効果を上げる、今日の私鉄経営のビジネスモデルの原型を作った一人である。"
写真は若くてバリバリの時のもの。カッコイイ。

小林一三などの鉄道関連ビジネスは事業として大成功。大都市郊外に人口を大きく拡大させることになった。また鉄道沿線ごとに一種の文化も創り上げた。でも、阪急沿線で育ったので知っているが、あれはあまり便利な生活ではない。何をするにも電車で移動する。他社の沿線住民とは距離的に近くても交流もなくなる。電車に依存する不便な細長い閉鎖社会が線状に出来上がるだけ。また都市中心部(大阪)の環境は古いままに放置され居住に適さなくなってしまった。

小林一三の真似を全国規模でやったのが田中角栄。「日本列島改造論」で山でも川でもなんでもぶち抜いて東京と地方を連結し投資を全国的にばらまくことがいいとした。お金をかけた画一的なコンクリートだらけの醜い地方都市群が出来上がったが、おかげでニッポンの生産性は悲惨なまでに低下し、東京の都市インフラは明治時代のまま放置され恥ずかしい「国際都市」の姿を今にさらすこととなる。玄関がシャビーだったらお客も来ない。外国からの投資も呼び込めず、ニッポンは衰退することとなった。

2009年1月24日土曜日

BBC : 有機野菜ブームは終わったか……今までが異常だったからな

今朝のBBCを見てたら、「イギリス人は有機野菜とやらは買わなくなった、”エコ農家”はたいへんだ」と言っていた。世界大不況の影響かと思ったら、去年の夏頃からすでにそれが始まっていたとのこと。これ:
BBC NEWS | UK | England | Bristol/Somerset | Is the organic party over?: "The American organic chain 'WholeFoods Market' lost £10m on its UK operations last year, and is closing its Bristol store 'Fresh and Wild'.

'I'm afraid it's simple economics,' says Ben Yearsley, an analyst at Bristol investment house Hargreaves Landsdown.
'People have got less money, their ordinary food shopping has gone through the roof; they're cutting out luxuries. And I'm afraid organic is a luxury.'"


「エコ」は高く付く(ここ)。みんなバブルに酔っているときにはいいのかも知れないけれど、バブルが終わるとみんな冷静になるのである。これが世界のパターン。ところがニッポンでは「エコ」がまだまだお盛ん。例によって遅れているな〜。


さっき「農村エコ・ナチ」から「おまえなんか早く死ね」とのメッセージを貰った。おいらが「ノーソン」や「食育」の悪口を言うのがよほど気に入らないみたい。こういう「エコ・ナチ」は早くいなくなってくれるのがお国のため。おいらも微力ながら駆除に協力している。

1/24 Today 幸徳秋水の処刑(1911)

幸徳秋水 - Wikipedia: "幸徳 秋水(こうとく しゅうすい、明治4年9月23日(1871年11月5日) - 明治44年(1911年)1月24日)は、明治時代のジャーナリスト、思想家、社会主義者、アナキスト。本名は幸徳傳次郎(こうとく でんじろう)。秋水の名は、師事していた中江兆民から与えられたもの。大逆事件で処刑された12名の1人。"
お上(国家権力)は自由自在に国民を処刑できるという例である。

1960年代頃より新資料などが発見されて以来、大量の研究書が発表されており、大逆事件(幸徳事件)は国家によるフレームアップの典型例であることは確実となった。批評家柄谷行人や浅田彰、すが秀実、鴻英良らは大逆事件を大日本帝国(日本帝国主義)の重大なメルクマールとしてみなし、その波及効果を研究している。ほかユニークな評価としては批評家の福田和也が愛国者として秋水を評価するものがある[1]。また代表作『帝国主義』はホブソンやレーニンらの帝国主義論に先駆けるもので、独自の批判的分析を展開している。2008年、クリスティーヌ・レヴィ(Christine Lévy)によって『帝国主義』のフランス語への翻訳 "L'impérialisme, le spectre du XXe siècle" (Paris, CNRS editions)がなされるなど、近年海外でも再検討されている。

なお、われらが永井荷風も、この事件ですっかり野蛮な薩長イナカ勢力が牛耳る「近代ニッポン」が嫌いになり「江戸戯作者」として生きるという道に逃避することになる。

荷風と幸徳秋水とは「接点」と言えるものがある。幸徳秋水を運ぶ囚人馬車を何度も見ることになるのである。その場所はどこだったかという拙者の考察:
荷風塾No3: "荷風はどこで秋水を見たのか"

2009年1月23日金曜日

日経:こんにゃく製造業者の倒産相次ぐ……一方こんにゃく芋農家は笑いが止まらない

日経新聞によれば、こんにゃく製造業者がばたばた倒産しているという。原因は原料のこんにゃく粉の高騰。これは昨年から始まっているのになんの対策もとられてこなかった。原料が手に入らないために閉鎖される工場で働く労働者はどんどん失業することになる。一方、こんにゃくいも生産者(群馬県の農家)は大儲け。こういうときこそ足らないこんにゃくいもを輸入するべきなのだが、輸入関税は実に1700%という高率で実質的に輸入は禁止されているのだ。こんな世の中は間違っている。

このような国産こんにゃく芋の手厚い保護は全く政治的なもの。なんせ群馬県からは歴代総理大臣がわんさか選出されているのだ。以前からこんな保護制度は限りなく問題であるとして指摘されている:
5/29 Today「こんにゃくの日」……こんにゃくを食べて総理大臣閣下に貢ごう!: "こんにゃくの関税は、実に1700%を超えるという:
日経社説:消費者不在のWTO農業交渉では困る : '日本は精米に778%、コンニャクイモに1706%、落花生に737%、でんぷんに583%という法外な関税をかけている。'"

こんにゃく芋の例は象徴的なものにしか過ぎない。大なり小なりニッポンの農業とはこういうもの。あいつらは自分たちのエゴのために多くの国民を犠牲にして平気の平左。苦しむのは都市住民だけ。

あいつら農村利権集団はニッポンのガンだな。

なぞなぞ(文学と政治系):オバマ大統領の愛読書はなんでしょうか?

オバマは読書家として知られている。格調高い演説からもたくさん本を読んできたことがわかる。出歩くときもよく手に本を持っている(左の写真)。でもいまでも読む「愛読書」となると、相当限られてくる。何が愛読書なのか? ルモンドが調査してそれを公開した。この愛読書こそが今のオバマを形作っていると。
Les livres qui ont fait Obama - Blog LeMonde.fr: "Ce qui ne l’a pas empêché de se nourrir en permanence des tragédies de Shakespeare, de Moby Dick, des écrits de Lincoln, des essais du transcendantaliste Ralph Waldo Emerson, du Chant de Salomon de la nobélisée Toni Morrison, du Carnet d’or de Doris Lessing, des poèmes d’un autre nobélisé Derek Walcott, des mémoires de Gandhi, des textes du théologien protestant Reinhold Niebuhr qui exercèrent une forte influence sur Martin Luther King, et, plus récemment de Gilead (2004) le roman à succès de Marylinne Robinson ou de Team of rivals que l’historienne Doris Kearns Goodwin a consacré au génie politique d’Abraham Lincoln, “la” référence du nouveau président.

Pardon, on allait oublier, le principal, le livre des livres : la Bible, of course."
聖書とシェークスピア悲劇とマルティン・ルーサー・キングとエマーソンはわかるけれど、『白鯨(Moby Dick)』が上位に出てくるのはちょっと意外な感じ。これはどう解釈すればいいのか。散人流独断と偏見の読みときをご披露する:

おいらも『白鯨』を読んだばかり。そのときの感想はここ。でももう一度読み返してみて、この本をこんな風に解釈するのは「まだまだ幼稚であった」と実感。もっとエライ本なのです。

八木敏雄の解説に因れば D.H.ロレンスはモービー・ディック(エイハブに追われるクジラ)は「白色人種の最深奥に宿る血の実体」であり「メルヴィルは彼の人種が亡びること、理想主義が亡びること、『精神』が滅びることを知っていた」と書いているそうな(アメリカ古典文学研究 (講談社文芸文庫))。博覧強記のオバマだから当然ロレンスの解釈は承知した上で読んでいるのだろう。

モービー・ディックを追い回すピークオッド号の乗組員の国籍はまさに多様そのもの。船長と航海士こそアメリカ生まれのクエーカー教徒だが、銛打ち手(船長並みの給料を貰う上級船員)は、ポリネシアの食人種、中国人、黒人、アメリカインディアンという具合。水夫も世界中から集まっている。みんなそれぞれ超人的な体力と技能を有するくせ者揃い。それを一つにまとめているのがエイハブ船長の狂信的とも言える信念と指導力だが、エイハブ船長も認めているように結局は鯨油という金銭的利益とクジラへの狩猟民的闘争本能が持続性のある結束を生み出している。まさにアメリカ合衆国。

ただ建前もある。乗船するにはキリスト教徒でなければならない。主人公(イシュメール)の親友となった食人種の銛打ち(クイークェグ)は毎晩へんな偶像に礼拝する異教徒だが、主人公は「かれはあらゆる人の子とその魂が所属するところのあの万古不変の普遍(カトリック)教会の一員である」と船主を説得して乗船させるのである。これもまたアメリカ合衆国的。オバマが好きなのもわかるのである。

しかし困ったこともある。ピークオッド号とはアメリカ合衆国そのものであるとして、最後にピークオッド号(アメリカ合衆国)は白鯨(白色人種の精神)に敗れて沈没してしまうのである。これは困る。これは(オバマ的には)どう解釈すればいいのか。

それには八木敏雄のこの小説の構造分析がとても参考になる。この小説は最後のエピローグがそのまま最初の出だしに繋がるという「循環構造」になっているというのだ。実際読み終わってすぐに最初のページに戻ると、驚くなかれ実に自然に連結してしまうのだ。永久運動ならぬ「無限循環構造」の小説なのである。

今回はピークオッド号は白鯨に負けた。でも勝敗はしょせん確率の問題。何度もやっているうちに必ず勝つときが来る。そのうちにクイークェグの銛が白鯨の目を射抜く時が来るのだ。そこではじめてこの小説『白鯨』はお終いとなるのである。それこそD.H.ロレンスが予感していた結末だ。

オバマは「雑種(混血)のアメリカ」が、必ずローマ以来続いてきた「白色人種(ヨーロッパ)の支配」を打ち破り、世界の王者になる、そしてあり続けるという強い信念を持っているのだろうというお話し。おわり。


PS:メルヴィルはアジア人については「古い因習にとらわれたあげく、どん詰まりの糞詰まりになってしまった劣った人種」という表現を使っている。でも、普遍的な価値観を受け入れたアジア人はピークオッド号ですごい力を発揮するのである。これもオバマの価値観を考える上で面白い。

1/23 Today 八甲田山「死の彷徨」が始まる(1902)

八甲田雪中行軍遭難事件 - Wikipedia: "八甲田雪中行軍遭難事件(はっこうだせっちゅうこうぐんそうなんじけん)は、1902年(明治35年)1月に日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が八甲田山で冬季訓練中に遭難した事件。訓練への参加者210名中199名が死亡する、日本の冬山登山史上もっとも多くの遭難者が発生した事件となった。

第1日(1月23日)
午前6時に青森連隊駐屯地を出発。田茂木野において地元村民が案内役を買ってでるが、これを断り地図とコンパスのみで厳寒期の八甲田山走破を行うことになった。途中小峠まではさしたる障害もなく進軍できた。しかし、大峠付近にて天候が悪化し、ソリ隊も遅れはじめたことから、大休止を取った。携帯した食料類は凍りついてしまい食事を取らない兵士が大多数を占める事態となった。装備の不安と天候がさらに悪化することを恐れ、駐屯地への一時帰営を協議したが下士官などの反対により、行軍を続行することになる。
風雪をやり過ごしながら馬立場(大峠より2km)まで進軍した。ここから積雪量が格段に深くなり、行軍速度が落ち、食料と燃料などを積んだソリ部隊は本隊より1時間以上遅れることとなった。神成大尉は第2、第3小隊計88名をソリ隊の応援に向かわせると同時に、設営隊15名を田代方面に斥候を兼ねた先遣隊として先行させた。夜6時、鳴沢付近でソリの放棄を決定した。ソリの荷物については、各隊員が分散して持つこととなった。このとき炊飯用の銅釜を持たされた兵士が一番悲惨だったという。先遣隊として先行していた設営隊も進路を発見できず、道に迷っていたところを偶然にも本隊と合流した。夜8時過ぎに田代元湯まであと1.5kmの平沢の森まで進出するが、日没により前後不覚となり田代方面への進路も発見できなくなった。そのため、これ以上の行軍は不可能と判断し雪濠を掘って露営することとなった。"


大将がアホだと部下がたくさん死ぬ。

2009年1月22日木曜日

たいへんなデフレ不況のなか、全農だけが「値上げ」で儲けている!

あのソニーですら千人単位の正社員のリストラに踏み切った。すべての勤労者にとって、明日はわが身である。日本経済発展を今まで担ってきた産業セクターと都市勤労者はたいへんな痛みを味わっている。そうなのに、今まで「オンブに抱っこ」で補助金を貰って食ってきた産業セクター(農水産業)は一向に痛みを感じていないばかりか、作りすぎの農作のなかで逆に値上げで儲けている。このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):コメ、前年より高値落札 08年産米入札: "コメ、前年より高値落札 08年産米入札 公設市場のコメ価格センターは21日、2008年産米の第3回の入札を実施した。主要な売り手である全国農業協同組合連合会(全農)が08年産米を初めて上場。産地による生産コスト増分の転嫁が進む市場実勢を反映し、主要銘柄は軒並み前年より高めの水準で落札された。北海道や青森など低価格米の上昇が目立つ一方、割高感の強い銘柄の引き合いは鈍かった。

例年、全農は新米の出回り始める8―9月に価格センターに上場しているが、08年産は年明けにずれ込んだ。42銘柄1万2413トンの上場数量に対して3.5倍の申し込みがあり、77%が落札した。"
これはいくらなんでもひどい。

例年は夏に実施するべき入札を故意に引き延ばし、買い手を「兵糧攻め」にしてから無理やり高値で売るというアクドイ手口。おまけのこの高い価格が減反補償金などの政府の農業補助の基準となるというのだから、あいつらは笑いが止まらない。おまけに農家は家族に至れり尽くせりの待遇の地方公務員を抱えているのが普通だから、一生贅沢三昧の「自給自足生活」とやらが保障され安泰。都会の失業者やホームレスの苦しみなんかは彼らの「自己責任」だとして、救済しようとする団体を国賊扱いする勢い(ネットでの農村ウヨの書き込みは、概ねこんな調子)。都市住民は所詮「無頼」だから、死んでもいいんだとさ。

都市勤労者の生き血を吸う、全農(農協とその組合員である農民とその利益代弁者である農水族とNHK)は、国民の敵だ。

山中湖:雪

夜半雪少々。明けて枝の白さに驚く。さながら魚の白骨を見るが如し。

せいぜい5センチぐらい。これじゃジムニーも実力を持てあますな。

1/22 Today ヴィクトリア女王死去(1901)

ヴィクトリア (イギリス女王) - Wikipedia: "ヴィクトリア(Alexandrina Victoria, 1819年5月24日 - 1901年1月22日)は、イギリスの女王(在位:1837年6月20日 - 1901年1月22日)、初代インド女帝(在位:1877年1月1日 - 1901年1月22日)。
ジョージ3世の四男ケント公エドワードの一人娘。ハノーヴァー朝の国王は代々ドイツのハノーファー王国(選帝侯国)の君主を兼ねていたが、ハノーファーではサリカ法典による継承法を取っており、女性の統治が認められなかったため、ヴィクトリアはハノーファー王位を継承せず、叔父エルンスト・アウグストがその地位を継いだ。ファーストネームであるアレクサンドリナの名は代父であるロシア皇帝アレクサンドル1世によるもの。

イギリスでもっとも輝かしい時代をつくりあげた女王であり、その治世はヴィクトリア朝と呼ばれる。彼女は世界中の王室のモデルとなった。この時代、イギリスは世界各地を植民地化して一大植民地帝国を築き上げ、ヴィクトリアは「インド女帝」の称号を得ている。「君臨すれども統治せず」によって議会制民主主義を貫き、彼女の寵愛するベンジャミン・ディズレーリ、そして、良き夫であるアルバートの助言によってイギリス帝国を繁栄させた。"


当時ロンドン留学中だった漱石はこう日記に書いた:
翻訳blog: ヴィクトリア女王の葬儀: "1901(明治34)年1月23日(水)
 昨夜六時半女皇死去すat Osborne. Flags are hoisted at half-mast. All the town is in mourning. I, a foreign subject, also wear a black-necktie to show my respectful sympathy. 'The new century has opened rather inauspicuously.' said the shopman of whom I bought a pair of black gloves this morning."

手袋屋の店員が言ったように20世紀は「不吉な」感じで始まった。でも「日の沈むところがない」大英帝国がホントに落日を迎えるのにはそれから50年も掛かった。アメリカも同じだろう。

2009年1月21日水曜日

NHK「ためしてガッテン」;低カロリー食でも肥満になる原因は?

この番組、けっこう面白かった:
ためしてガッテン:"今、ちまたでは「低カロリー」が大ブーム。「カロリーオフ」「カロリーゼロ」をうたう商品が続々登場、低カロリー食専門のレストランまで現れた。
「低カロリー=健康」の図式は疑いようのない事実として浸透しているが、実はカロリーの数字だけにとらわれた食生活は、逆に太りやすい体質を作る元凶になることが最近の研究でわかってきた。
「低カロリー」の真実を解明し、しっかり食べてもスリムになれる食事の法則を大公開!

カロリーは気にしているのに……
発見!ダイエットの天国と地獄を分ける“スイッチ”
たっぷり食べてもやせられる!超簡単な法則
ゲスト◎松本明子、渡辺 徹、山瀬まみ"
結論は、案外常識的なものだった。

要は、たんぱく質をちゃんと摂取すると言うこと。低カロリー食事をしていても肥満になる人は、たんぱく質の摂取量が少なすぎるのである。

理想的バランス(たんぱく質:脂質:糖質)……22:23:57

いわゆる「ダイエット食」で結果として肥満する栄養バランス(同上)……15:29:56

肉をじゅうぶん食べると、それだけで満足感があり、それ以上余分なものを食べようとする気にならない。国民にじゅうぶん肉を食べさせる政治こそが理想の政治である。孔子さまもそれを言っている。

ニッポンじゃ肉が高すぎるので、みんながメタボになるのである。

NHKニュース:中学生の体力テスト

7時のニュースで印象に残ったもの。小中学生の体力低下が著しいなかで、千葉県・福井県が一番だったよし。いわゆるコメ生産県は軒並みダメ。

小中学生の体力低下は由々しき問題である。このままではオリンピックはもとより経済競争でも日本は負けることになる。競争とは所詮体力の勝負であるからだ。

『飢餓ダイエット(粗食)』こそがニッポンの伝統であるして、こどもたちになにがなんでも伝統食品を食わせようとする農水省主導の『食育』が子供の体力低下に影響しているのではないか。体力とはパワー。パワーを付けるためには肉を食べないとダメ。肉のなかでもアミノ酸バランスが良い牛肉が一番だ。それがニッポンでは天文学的と言っていいほど高い。これでは子供の体力は一向に上昇しない。

昔は牛肉は鶏肉よりも安かった。それがいまでは『嗜好品』と言っていいほど高価な食材となった。既得権益集団が自分のエゴを主張するためである。貧しい中国人の方が一人あたりでよほど日本人よりたくさんの牛肉・豚肉を食べている。既得権集団が日本をダメにしているのである。

1/21 Today JST オバマ就任演説(2009)

原文:
Barack Obama and Joe Biden: The Change We Need | Obama HQ Blogger: President Barack Obama's Inaugural Address

日本語訳は:
asahi.com(朝日新聞社):オバマ大統領就任演説全文〈1〉 - 国際
asahi.com(朝日新聞社):オバマ大統領就任演説全文〈2〉 - 国際
asahi.com(朝日新聞社):オバマ大統領就任演説全文〈3〉 - 国際
asahi.com(朝日新聞社):オバマ大統領就任演説全文〈4〉 - 国際

立派な内容だと思うけれど、有り体に言えば精神論。つくづく思うけど、アメリカという国は宗教国家だ。

預言者はいろいろ現れるんだけれど、結局すべて人々によって殺されてしまう。普通の人々の求めるものはもっと世俗的なものであったからだ。"It’s the economy, stupid!" とは同じ民主党元大統領の言。大丈夫かな。

2009年1月20日火曜日

NHK「クローズアップ現代」:食卓が変わる?鮮魚の新流通……これとてもいい番組

NHK「クロ現」も最近よくなってきた、問題の指摘が鋭い:
クローズアップ現代 NHK食卓が変わる?鮮魚の新流通 鮮魚の流通で今、大きな変化が起きている。これまでは漁業者→漁港の卸→仲買→消費地の卸→仲買→小売店という何重もの流通業者を経ていたが、大手スーパーチェーンが漁港での直接買い付けを本格的に始めたのだ。今や鮮魚の購買は量販店が7割を占め、長年続いた鮮魚流通の"革命"と注目されている。 背景にあるのは、食の安全や新鮮さへの消費者ニーズ。複雑な流通経路の鮮魚は、鮮度や衛生面などの安全性が確認し難い傾向があった。また燃料高騰などで苦況に立つ漁業者側も直接取引を大歓迎。流通業者を通さないことで、収入増が見込まれるためだ。 一方、流通業者は、これまで以上に存在意義を問われている。中には、中小スーパーや鮮魚店との連携を強化して生き残りを図るところも現れた。激変する鮮魚流通の最前線と、私たちの食卓がどう変わるのか検証する。
(NO.2684)
ニッポンの鮮魚ビジネスとはまさに既得権集団のエサ場だったものだが、いま新しい取り組みが始まったという。

ニッポンの鮮魚ビジネスとは、消費者に神話を刷り込むこと(だますこと)によって成り立っている。「大間のマグロは一匹1000万円の値打ちがある」とか「関サバ一匹何千円でも安い」とか「初鰹は女房を質に入れてでも食え」とか「スズキは冬は食えない」とか「規格より小さなサカナは人間の食い物ではない」いうのは全部神話。そういうことで魚屋に並ぶサカナの値段は漁港値段から4倍にもなっているのだ。騙されているのはナイーブな主婦たち。むしろ神話を信じているアホ亭主が奥さまにそれを強制し、奥さまがそれに対応しているだけかも知れないけど、いずれにしてもアホ。

世界不況が進行し、みんながビンボーになるなか、消費者はもっともっと賢くならないとサバイバル出来ない。既得権集団にボラレぱなっしでは確実に生き残れないのです。

「エコ」は高く付くな〜……ビンボー人には手が届かない

なんか「エコ」がブームみたいで、やたら「エコ」を売り物にしたレストランなんかが増えた。結構なことと思うけど、高い!

最近湖畔に出来たレストランも「エコ」対応型。行政と一緒になってやっているためか、地面も広く確保されて、なかなかいい感じ。でも食ってみるに、とても値段が高く、しかも量が少ない。

あれじゃ財布はカラッポになってもお腹がいっぱいにならない。お客は女の子や女の子連れがほとんどで、ダイエット志向のOLは「良いな〜」と思うのかも知れないけれど、女の子でも、あんなものを食っていては仕事が出来ないだろう。

かくして日本の労働力はいつまでたっても「ひ弱な花」のまま。ニッポンの生産性はますます低下するのである。オリンピックで中国に負けるわけじゃ。

ヘッジファンドの運用資産減少がすごい!でも運用成績はプラス

ヘッジファンド運用大手の英マン・グループ、2008年下半期は運用...|運用会社情報|ヘッジファンド・ニュース|ヘッジファンドクルーク -HEDGE FUND KLUG-: "上場ヘッジファンド世界最大手の英マン・グループは、2008年下半期において、運用資産が約3分の1減少したと発表した。【14日 ウォールストリート・ジャーナル】"
ソロスが言ったとおりだったね。

現金がどうしても欲しい法人が多いと言うことなんだろうけれど、個人はそういうことはない。(運用資産額は減少しても)運用成績は普通の投資信託や株式投資なんかよりもはるかに優秀(昨年10−12月で運用実績はプラス)。記事にもあるようにむしろ競争相手が淘汰されるのでむしろチャンスじゃないかな。

ポートフォリオ総額の減少に応じる形の(ヘッジファンドポーションの「比率維持」のための)部分解約ぐらいだったらいいけど(おいらもやった)、個人はあたふたすることもないと思う。今後ヘッジファンドぐらいしか儲けが期待できない状況が長期間続くんじゃないかな〜。

マン社のファンドは邦銀の元本保証が付いているのが多いし、のんびり行こう。

1/20 Today オードリー・ヘップバーンの命日(1993)

オードリー・ヘプバーン - Wikipedia: "オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn、1929年5月4日 - 1993年1月20日)は、アメリカで活躍した映画女優。英国籍。

10歳のときに祖父のいるオランダへ移住し、6年間Arnhem Conservatoryでバレエの特訓を受ける。15歳には有能なバレリーナになり、密かにナチのオランダ占領に対する抵抗運動の資金集めのために踊った。

第二次世界大戦中は反ナチスのレジスタンス運動に従事していた。オードリーの叔父と母親の従兄弟はナチ抵抗者だったため、オードリーの目の前で銃殺された。彼女の異父兄弟もドイツの強制収容所に入れられた。オードリーは栄養失調のため急性貧血症、呼吸困難、浮腫を患った。また、戦争中、食料がないときはチューリップの球根を食べ、飢えをしのいだという。

アンネ・フランクと同い年で、戦後、オードリーはアンネの事を知りひどく心を痛めたという。後年、映画『アンネの日記』のアンネ役のオファーもあったのだが、辛い過去を思い出すのを恐れて断った事もある。

1993年1月20日、結腸ガンで亡くなる。死後10年以上経つ現在でも「スクリーンの妖精」として世界中のファンに親しまれている。"
合掌。

チューリップの球根を食べて飢えを凌いだとは可哀想。ファシズム(ウヨ的攘夷主義的エコロ的社会主義)はグロテスク。いまのニッポンで蔓延っている風潮もこれに似ていて、キモチワルイ。

2009年1月19日月曜日

1/19 Today 荻生徂徠が死ぬ(1728)

荻生徂徠 - Wikipedia: "荻生 徂徠(おぎゅう そらい、寛文6年2月16日(1666年3月21日) - 享保13年1月19日(1728年2月28日)は、江戸時代中期の儒学者・思想家・文献学者である。本名は雙松(なべまつ)、字は茂卿(しげのり)で徂徠は号である(一説では「徂來」が正しいとする)。本姓は物部氏。父は幕府将軍徳川綱吉の侍医荻生景明。弟は徳川吉宗の侍医で明律研究で知られた荻生北渓。"
豆腐好きで有名な人。

徂徠豆腐

落語や講談・浪曲の演目である。「徂徠豆腐」は将軍の御用学者となった徂徠と貧窮時代の恩人の豆腐屋が赤穂浪士の討ち入りを契機に再会する話。

よく知られる江戸落語では以下のストーリーである。徂徠が貧しい学者時代に金を持たずに豆腐を注文し店先で食べてしまう。豆腐屋は、それを許してくれたばかりか、貧しい中で徂徠に支援してくれた。その豆腐屋が、浪士討ち入りの翌日の大火で焼けだされたことを知り、金と新しい店を豆腐屋に贈る。ところが、義士に切腹をさせた徂徠からの施しは受けないと豆腐屋はつっぱねた。そこで徂徠は「豆腐屋殿は貧しくて豆腐をタダ食いした自分の行為を「出世払い」の契約にして「盗人」となることから自分を救ってくれた。法を曲げずに情けをかけてくれたから、今の自分がある。「自分も学者として法を曲げずに浪士に最大の情けをかけた、それは豆腐屋殿とおなじ。」と法の道理を説いた。武士たる者が美しく咲いた以上は、見事に散らせるのも情けのうち。武士の大刀は敵の為に、小刀は自らのためにある。」と武士の道徳について語った。これに豆腐屋も納得して贈り物を受け取るという筋。浪士の切腹と徂徠の贈り物をかけて「先生はあっしのために自腹をきって下さった」と豆腐屋の言葉でオチになる。


徂徠はそのへんにあった皿に残っているホコリの浮かんだ醤油だけで豆腐を実に旨そうに食う。当時の豆腐屋は家まで豆腐を売りに来るのだ。

2009年1月18日日曜日

ジムニーの雪道登坂性能、すごい!

山中湖は雪だらけ。氷も岸沿いに薄く張っている。坂の下に駐めておいたジムニーのエンジンをかけると、1ヶ月ぶりだが見事に一発で掛かった(ケーブルをバッテリーから外しておかなかったので心配だったがOKだった)。「凍結危険・通行禁止」の標識が出ている名にしおう湖北の急坂にいざ挑戦。

チェーンを巻かないでも登ってしまいました(スタッドレス)。4WDーHで速度を付けて登るか4WD−Lでゆっくり登るか迷ったが、安全をみて4WD−Lにする。ゆっくりでも止まりそうにもならずグイグイ登る。FFではチェーンを付けても壮大に横滑りをするのだが、そんな気配もない。ホッとした。

やっぱりニッポンの雪道はジムニー。

1/18 Today 振袖火事(1657)……火の用心

明暦の大火 - Wikipedia: "明暦の大火(めいれきのたいか)とは明暦3年1月18日(1657年3月2日)から1月20日(3月4日)にかけて、当時の江戸の大半を焼失するに至った大火災。振袖火事・丸山火事とも呼ばれる。

この明暦の火災による被害は延焼面積・死者共に江戸時代最大で、江戸の三大火の筆頭としても挙げられる。外堀以内のほぼ全域、天守閣を含む江戸城や多数の大名屋敷、市街地の大半を焼失した。死者は諸説あるが3万から10万人と記録されている。江戸城天守はこれ以後、再建されなかった。

火災としては東京大空襲、関東大震災などの戦禍・震災を除けば、日本史上最大のものである。ロンドン大火、ローマ大火と並ぶ世界三大大火の一つに数えられることもある。"


都市家屋の耐火化・耐震化は400年前からの課題だが、いまだに実現していない。文明とは必ずしもよい方向に進歩するものではないのである。

2009年1月17日土曜日

都市部の若者を農村に 「地域おこし協力隊」創設 総務相発表……「作男」大量創出とは「ご都合主義」ではないのか

またしても憂鬱になってしまったニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):"都市部の若者を農村に 「地域おこし協力隊」創設 総務相発表
 鳩山邦夫総務相は19日の記者会見で、農業への従事など地方での生活を望む都市部の若者らを農山漁村に長期派遣する「地域おこし協力隊」(仮称)を来年度に創設すると発表した。数百人を募集し、1―3年程度派遣する。若年層に働く場を提供するとともに、農林水産業などの人手不足の解消にもつなげたい考え。
 仕事の内容は、1次産業への従事のほか、水源地の管理・保全や観光関係など。総務省は「地域力創造プラン(鳩山プラン)」の目玉と位置づけており、給与を支給する地方自治体に資金を支援する。
 詳細は来年1月に詰めるが、支援の財源は地方交付税を想定している。過疎地での人口減少に歯止めをかける「定住自立圏」構想とも連動させ、派遣した若者らの地方定住も視野に入れている。(12:01)"
ニッポンの農業の根本問題はその過剰人口にある(農業就業者数が諸外国にくらべ十倍も多すぎるのだ)。それなのに自民党政府は農村にさらに人口を呼び込もうと躍起。きっと「票」が欲しいのだろう。

中国の「下放」政策にも似ていないわけでもない。都会で雇用を吸収できなければ農村に吸収して貰うしかないのだ。幸い農村家計には戦後のバラマキ行政のおかげで蓄積された資産があり、収入も「お上」に保証されているので不況の影響は受けない。この際、頑張って都市部で吸収しきれない雇用を吸収して貰えると正直有り難い。

でも、若者は農村に行っても所詮「作男」だ。都会人は自分で農地を所有することは出来ないので小作農に甘んずるしかない。いわゆる「農奴」ですな。結局、不満分子とならざるを得ない。自民党は農村部に不満分子が増えると農村への利益誘導が政治的にやりやすくなると踏んでいるようだが、それは農村既得権集団への利益誘導であり、農業に夢を求めた都会の若者は利用されるだけで終わるんじゃないか。

ニッポンはその強みで勝負するべきだ。環境にやさしいとかいう農業(これ真っ赤なウソだが)のブームも結構だが、貴重な若者労働力が、どうしようもなく遅れた既得権益型の非生産的分野に流れてしまい、結果として都市部の大黒柱産業を弱め、さらに必要な農業改革をすら遅らせることになるのではないかと危惧するものである。

いままで「トヨタ大明神」のおかげでメシを食っていたニッポンの農村なんかの低生産性部門は、これからしんどくなる。みんな平等に痛みを分かち合うべきだからだ。スポンサーがいなくなってもいままで通り大釜のメシを食うのはおいらの権利だというわけには行きません。

NHKスペシャル:阪神大震災 秘められた決断……信じられない失策をいまだに正解だったと主張する地方公務員

これいい番組だった:
NHKスペシャル|阪神・淡路大震災 秘められた決断富士常葉大学や京都大学の防災専門家からなる研究グループは、阪神・淡路大震災で被災者の救援や支援を担った神戸市職員150人余りから当時の対応について聞き取り調査を行ってきた。災害に直面した当事者に対して詳細な聞き取りを行い、その言葉から教訓を導き出す「災害エスノグラフィー」と呼ばれる研究である。
集められた証言はA4版でおよそ2400ページ。避難所のトイレ設置から犠牲者の斎場手配まで。被災地は何に直面し、人々はどう動いたのか? その現実を、時系列であらゆる角度から捉えたかつてない記録だ。しかも、この聞き取りは「非公開」を前提に行われたため、行政マンらがこれまで胸に秘めてきた「苦悩と選択」が克明に語られている。
どの命を優先して救うのか? 被災者に不満が残らない物資配布の方法は? 数千もの犠牲者の火葬をどう行うのか…? NHKは、研究グループと聞き取り調査の対象となった神戸市職員一人一人から了解を得て、その原文を入手してきた。
番組では、新たに明らかになった証言に独自の取材を加え、阪神・淡路大震災の実相を再現。今後起こりうる大災害に備える上での教訓を探る。
震災の罹災者だった上田早苗さんのナレーションもよかった。一番腹が立ったのは、遺体の非認定施設での火葬(野火)を、厚生省も仕方がないというのに、自分の思いこみだけで禁止して、ドライアイスも支給せず、何千人もの遺体を三週間も腐るままに放置しておいて、これが正しいことだったという神戸市のお役人のケース。インタビューではいまだに自分はいいことをやったと信じているようだが(「ちゃんとした」火葬をしないと遺族は幸せにならないとかいまだに主張している)、無能な地方行政なんては、なくなってしまった方がよほどいいという例である。

救援物資の配給でも、お役人のやり方では結局うまく行かず、住民にまかせるようになってはじめて機能し始めたというケースも報道されていた。あいつらお役人はホンマに役立たずで社会の癌。税金で食っているだけの税金ドロボー。

散人も個人的に兵庫県庁の無能ぶりを目撃している。震災の朝、西宮の家屋がほぼ全壊状態になるなか、6時過ぎにはすでに自衛隊伊丹の緊急支援部隊が西宮に到着していた(自衛隊はさすがに早い)。でも兵庫県庁の「支援要請」がいつまで経っても出されないために(自衛隊は地方自治体の要請でしか動けない)、目の前の何百人の住人が崩壊家屋の下で死にかかっているのに、彼らは幌付きトラックのなかに隠れて待機せざるを得なかったのである。実に手持ちぶさたにしていたのが印象的だった。この目でみたからホントのことである。

公務員とは身分。行政とはあいつらの「メシの種」を保証する制度でしかない。そう実感したのが阪神大震災であった。

メルヴィル『白鯨』……ブッシュはエイハブだったのか?

『白鯨』ついに読了。今度の岩波文庫(八木敏雄訳)は第11回目の日本語訳とのこと。まさに血湧き肉躍るお話しで、面白かった。最後の方になって、この白鯨を偏執狂的に追い回すエイハブとはブッシュ、不死身の白鯨とはアルカイダ、エイハブに巻き込まれて沈没するピークオッド号とはアメリカ合衆国のことじゃないかと真面目に感じていたら、最後の解説で「この本はそういう読み方も出来る、普遍的である所以」みたいなことが書いてあった(おいらは誓って言うが解説を先に読んだのでは断じてないぞよ)。ハムレットみたいなところもあり、百科全書的なところもあり、抹香臭いところもあるし、もちろん冒険小説として面白いし、まさに「ごった煮」。年寄りには堪えられない味。





でもブッシュJRはエイハブにするにはあまりにナイーブかも知れない。幼いな信心深いエイハブってところか。パウウェルはさしずめスターバック。チェイニーがフェダラーか。

下手な経済学の本を読むより、アングロサクソン資本主義の精神がたいへんよくわかる。説明すると長いけど、読んだらわかる。

節約、節約といいながら「一箱1万円のイチゴ」を宣伝する「日経PLUS1」 のピンボケぶり

土曜日に配られる「日経PLUS 1」はいつもながらずれていると思う。今週は節約特集みたいで、重ね着をしたり湯たんぽを使うと暖房費が節約できるなどというセコイ話が続く中、どっかの農家が作った「一箱1万円のイチゴ」を一ページまるごと使って提灯記事を書いている。このご時世、こんなもん買う人がいるんかね。

農家の金儲け主義もいい加減にして欲しい。贈答用だと言うが、逆効果で貰った人は贈った人の常識を疑うんじゃないか。もしおいらが社長で取引先からこんなイチゴを貰ったら、そんな浮世離れした会社とは取引を止めると思う。

1/17 Today 阪神大震災(1995)

阪神・淡路大震災 - Wikipedia: "1995年(平成7年)1月17日午前5時46分52秒、淡路島北部(北緯34度35.9分、東経135度2.1分、深さ16km)を震源として発生したM7.3[1]の兵庫県南部地震は、淡路島や阪神間(神戸・芦屋・西宮・宝塚・尼崎・伊丹・豊中・川西・池田など)、あるいは、東播磨地方(明石・三木など)の兵庫県を中心に大きな被害をもたらした。特に、神戸市市街地は壊滅状態に陥った。

死者:6,437名 行方不明者:3名 負傷者:43,792名
死者の内訳は、県内6,402名(99.5%)・県外32名(0.5%)
負傷者のうち重傷者は県内10,494名(98.2%)・県外189名 (1.8%)
軽傷者:県内29,598名(89.4%)・県外3,511名(10.6%)
死者の県内県外の比率から見て県内の負傷者数は混乱のなか、正確には数えることができなかったと推定される。
避難人数 : 30万名以上
住家被害 : 全壊104,906棟、半壊144,274棟、全半壊合計約25万棟(約46万世帯)、一部損壊390,506棟
火災被害 : 住家全焼6,148棟、全焼損(非住家・住家共)合計7,483棟、罹災世帯9,017世帯
その他被害 : 道路10,069箇所、橋梁320箇所、河川430箇所、崖崩れ378箇所
被害総額 : 10兆円規模"


個人的体験記(地震で死なないための三箇条)は参考になると思う。

2009年1月16日金曜日

余丁町「ビオセラクリニック」はなかなか親切で「佳」

荷風が住んでいた断腸亭の跡地に「ビオセラクリニック」なる診療所が出来て数年。「東京女子医大連携医療機関」とか「癌免疫治療」とかやたらむつかしいことが書いてあるので一見の客には敷居が高かったのだが、今回新宿区の健康診断の案内をみたらここでも健診可能とのことで行ってみた。なかなか親切でしたよ。

前にはよく黒塗りの車やタクシーが停まっていたりして、なんか入りにくい雰囲気だったんだけれど、保険の診療もちゃんとやってくれる。健康診断もすぐやってくれて、本日結果を聞きに行くと、レントゲンにちょっと気になるところがあるのでCTをやりましょうと即座にCT検査をやってくれた。ちっちゃいクリニックと思っていたのだが、なんと地下二階もあり、その中は機械だらけ。CTとかなんでも揃っている。待合室で待っているだけで美人のスタッフがすべて案内してくれて良い気分(スタッフの人数が多い)。血圧のクスリも処方してくれた。

いままで行っていたのは、国立医療センター系のクリニック。やたら権威主義の尻尾があって待ち時間が長く、やっぱり民間系の方がサービスがよくて良いな。

でも、クリニックの処方箋を持って向かいの地元の薬局に行ったら、処方薬剤は取り寄せだという。わざわざ住吉町まで坂を下りてクスリを貰いに行った。まあ、運動せ〜ということか。

中央大学教授殺害事件:NHKは、なぜ「留学生」にこだわるのか?

どうも気になっていること。NHKはこの事件の報道の度に「第一発見者は海外からの留学生でした」としつこく繰り返すこと。NHKは何か確たる証拠でもつかんでいるのだろうか。例えば今晩の報道:
NHKニュース 学内事情に詳しい者の犯行か: "高窪教授は当日の午前10時ごろに出勤し、10時10分ごろまでに校舎内で複数の学生に目撃されたあと、その15分後の10時25分ごろまでにはトイレで倒れているのを留学生が見つけています。大学によりますと、高窪教授の今年度の講義はこの日が最終日で、10時40分からは講義があったということで、講義前に1人でいたわずかな時間に襲われていたことがわかりました。"

報道としてはどうもおかしい。報道には情報量は多い方がいいというなら、普通の学生が発見したとすれば「第一発見者は島根県出身の学生でした」とか報道しないといけないことになる。ということは、NHKは「あいつが怪しい」とする確たる証拠をつかんでいると見てよさそう。

もちろん、NHKのいつもの「ゼノフォビア的ヒャクショウ根性」がこの事件の報道でも露呈しただけという解釈も出来るけれど……。

1/16 Today 禁酒法の成立(1919)

アメリカ合衆国憲法修正第18条 - Wikipedia: "禁酒法を全米に適用するには合衆国憲法の修正が必要となるため、修正案が連邦議会に提出された。修正第18条は、1917年12月18日に議会を通過した。ウィルソン大統領はアルコール度2.75%以下の酒類の除外を議会に働きかけたが失敗した。1919年1月16日に3/4の州(当時36州)による批准が完了し憲法修正条項が成立した"
お上が個人のライフスタイルにいちゃもんを付けたという意味で天下の悪法。

でもいまのニッポンでもまだまだこんなのが多い。メタボ規制とか、食育とか、いっぱいあるね。お節介が多すぎるのである。

2009年1月15日木曜日

なぞなそ(税金系);消費税率のアップで一番損をするのは誰なんでしょうか?

麻生太郎は消費税を上げると言ってたいへんな攻撃に晒されている。NHK「クロ現」でも取りあげられた:
クローズアップ現代 NHK激突国会の行方~揺れる“麻生自民党”~支持率の下落が止まらない麻生内閣。「選挙の顔」として選ばれた麻生首相は、解散総選挙を先送りする中で求心力の低下が指摘され、またバラマキ批判が消えない定額給付金や消費税増税へのスタンスなどをめぐっても、党内には路線対立がくすぶっている。
国民を満足させる政治を行おうとすれば税収が足らない以上、税収を増やすことは当たり前。いったい誰がそれに反対しているのか?

正解は、一番一人あたり消費支出が多い階級。消費税を上げられては困るのだ。いったいそれは誰なのか? それは「農村住民」なのでありました:
世帯の一人あたり年間家計費は、サラリーマンより農家の方が15万円以上多い(日経): "農林統計協会によると、2000年時点で農家の一人あたり家計費135万円に対し、勤労者一人あたり家計費は120万円だったとのこと。1970年時点では勤労者が農家より12万円多かったが、80年に逆転、その後は一貫して農家が勤労者を上回っていると。"
消費税を上げられては困るのは一番じゃぶじゃぶ消費にお金を使っている集団。即ち農家。農村の所得は少ないと言い立てるが、それは税務署が把握している所得のことであって、所詮自家営業、いくらでも逃げ道がある。自家消費米や縁故米は売上から差し引くのが通例だし、一家に四台クルマがあってもガソリン代などは必要経費として控除できるし、一家の資産も(ネットコンサルタントの事例では平均4億円)無税で相続可能。一人あたりの消費支出額こそが裕福度を測る指標なのである。ニッポンでは農家の方が裕福。にもかかわらず、「環境」とか「安全」を言い立てて、不安を煽り、都市勤労者階級から更にカネを毟り取ろうとしている。

税金を払わないで、税金の恩恵を享受しまくっている集団こそ、まともに応分の負担をするべきではないのか。それを是正するのが消費税率のアップだ。麻生は間違ってはいない。

NHKなどの既得権集団利益代弁団体が、麻生攻撃に走るわけなのである。

『大帆船 - 輪切り図鑑』( S・ビースティー, R・プラット)……これ保存版

わずか27ページの図鑑だが、情報量抜群で、面白いことこの上なし:
大帆船―輪切り図鑑: "出版社/著者からの内容紹介 18世紀の大帆船を船首から船尾まで10か所で輪切りにして図解し,食事と睡眠,労働と娯楽,病気と手術,海軍の規律,そして激しい戦闘まで,スリルにみちた乗組員の生活のすべてを克明に描く."


英文学とやらを読むときにはとても役に立つ。

例えば『白鯨』で二等航海士のスタッブが「おまえは、新米水夫みたいに、主檣中段の台座の穴(lubber's hole)をくぐって天国に行くつもりだろうが、それはいかんよ。まともな道をとおって、つまり索具(rigging)をつたって行かんことには天国にはいけんのだ」とか言うくだり。八木敏雄の訳には配慮がしてあるが、それでも分かりにくい。この『輪切り大図鑑』をみれば、ちゃんと絵入りで解説されているんですな〜。その他にも知らなかったことがいっぱい!

英語の小説にはやたらと船舶用語が多い。持っておいて損はない一冊。

それにしても、イギリスの帆船は閉鎖された空間のなかのひとつの社会。分業が極度に発展していて、まるでアダム・スミスの書いた資本主義社会の標本みたい。

蛇足:蛆虫が湧いたビスケットから蛆虫を除去する方法も丁寧に図解入りで書いてある。役に立つよ。

1/15 Today ローザ・ルクセンブルクが殺される(1919)

ローザ・ルクセンブルク - Wikipedia: "ローザ・ルクセンブルク(Rosa Luxemburg, ポーランド語名ルジャ・ルクセンブルク、Róża Luksemburg 1871年3月5日 - 1919年1月15日)は、ポーランドに生まれドイツで活動したマルクス主義の政治理論家、哲学者、革命家。

ローザとリープクネヒトは1月15日にベルリンでフライコールに逮捕され、数百人の同志と同様に二人とも虐殺された。リープクネヒトは後頭部を撃たれて身元不明の死体置き場へ運ばれ、ローザは銃床で殴り殺されて近くの川に投げ捨てられた。ローザの死体は六ヶ月ものあいだ放置され、拾い上げられたときには識別困難であったという。"


その後、ドイツはヒトラーのファシズムが風靡する時代へと移ってゆく。どっちがよかったかだが、ファシズムの方が「はた迷惑」であったことだけは事実。

2009年1月14日水曜日

asahi.com:和牛農家、申告漏れ続々 高騰で売り上げ急増 - 社会

おやおや、農家はボロ儲け:
asahi.com(朝日新聞社):和牛農家、申告漏れ続々 高騰で売り上げ急増 - 社会: "肉牛の取引をめぐり、飼育農家が国税当局から相次いで申告漏れを指摘され、追徴課税処分を受けていることが分かった。牛海綿状脳症(BSE)問題を機に和牛の価格高騰でもうかった所得を隠した農家がいた一方、免税制度の適用を受けようと、競りで売ったように偽装して不正な申告をする農家もいた。名古屋と関東信越の両国税局だけでも計三十数戸の農家が数年間で総額20億円の申告漏れを指摘された。重加算税を含む追徴税額は6億円前後に上る。"


台湾ほかの国々ではBSE汚染地域である日本和牛は輸入禁止だ。でもニッポンでは国産牛肉は安全であるとみんなが信じている。だから主婦たちは高値でも買うので、農家は儲かってしかたがなく、やむなく所得隠しに走る。迷信とは恐ろしい。

1/14 Today 『暮らしの手帖』の花森安治が死ぬ(1978)

花森安治 - Wikipedia: "花森 安治(はなもり やすじ、1911年10月25日 - 1978年1月14日)は、編集者、グラフィックデザイナー、ジャーナリスト。生活雑誌『暮しの手帖』を創刊した。

『暮しの手帖』は、生活者の側に立って提案や長期間・長時間の商品使用実験を行うユニークな雑誌で、中立性を守るため企業広告を一切載せないという理念の元に、現在まで発行されている。花森は編集長として自ら紙面デザインや取材に奔走し、死の前日まで第一線で編集に当たった。

豪放な性格、反骨精神と奇矯ながら真摯な行動でも知られ、数々の逸話を残す。おかっぱ頭やスカート姿を貫いたのもその一端である。"


いまの日本でいちばん求められている活動は往時の『暮らしの手帖』みたいな啓蒙活動だと思う。ニッポンの消費者団体は消費者の利益を守るといいながら実質は農業生産者の手先になり下がっており、政府や企業、流通業者や外国生産者を「安全・安全」とヒステリックに攻撃するが国内農業生産者には大甘であるからだ(というか消費者団体は彼らと一心同体である)。安全を強調するのは結構だが特定団体への利益誘導を目的とする「高値正当化」のためにだけ主張されている。花森みたいにもっと科学的になれ。

本当の「生活者の利益」を守ってくれるで団体が欲しいな〜。

2009年1月13日火曜日

「”ヒマあり、カネなし”の時代には本を読むのがいい」(鹿島茂)

今晩の日経夕刊「プロムナード」コラムで鹿島茂センセーが名言を。その通りだな。でも鹿島茂が言うように、あんまりいい本が出版されないのが問題。古本でいくか。

抜粋:
  1. 正月の神保町はゴーストタウン。ニッポン人は休みを取りすぎ(注:これ国際統計ではそうなっている。日本の休日の多さは世界一)。でもこれも大不況下の生産調整を考えるといいことか。
  2. いまの不景気で、ニッポン人は「カネはないけれどヒマだけはある」という状態に追い込まれた。バブル期の「カネはあるけどヒマがない」というのとちょうど逆の現象。
  3. ではこの日本人にとっていちばん都合のいい時間の過ごし方は何か。読書だ。読書ほどカネのかからない暇つぶしはないからだ。
  4. でもいまのニッポンの出版界には良書作りのノウハウがないな〜。
おっしゃること、いちいちごもっとも。おいらもすっかりビンボーになったので今年は本でも読んで暇つぶしをしようかと思っている。アホな新刊本や稀覯本なんかを買わない限り、ほとんどお金がかからない。農村既得権集団に搾取される心配もない。

いま読んでいるのはメルヴィルの『白鯨』。岩波文庫で新訳が出ている。とても読みやすいのでおすすめ。やたら聖書の引用が多いので、旧約聖書も一緒に読まねばならないが、これも面白い。

昔のバビロニアでは、王様は「言うことを聞かないとお前を殺して、お前の家は厠(便所)にする」との脅しを連発する。古代イラクでは、トイレは家の外に作られていたのだ。勉強になるな〜。



1/13 Today 源頼朝が死ぬ(1199)

源頼朝 - Wikipedia: "生誕 久安3年4月8日(1147年5月9日)死没 正治元年1月13日(1199年2月9日)

平安時代末期に河内源氏の源義朝の三男として生まれ、父・義朝が平治の乱で敗れると伊豆国へ流される。伊豆で以仁王の令旨を受けると平氏打倒の兵を挙げ、関東を平定し鎌倉を本拠とする。弟たちを代官として源義仲と平氏を滅ぼし、戦功のあった末弟・源義経を追放し、諸国に守護と地頭を配して力を強め、奥州合戦では奥州藤原氏を滅ぼす。建久3年(1192年)に征夷大将軍に任じられた。これにより朝廷から半ば独立した政権が開かれた。この政権は後に鎌倉幕府と呼ばれ、幕府などによる武家政権は王政復古の大号令まで足掛け約680年間に渡り、存続することとなる。"


まさに血みどろの時代だった。当時、戦争は政治の一形態だった。いまでも基本的に変わらない。腕力が強い集団が政治力を持ち、政治的弱者から制度的に搾取を行う。都市住民は、今も昔も、毟られるだけの犠牲者。

2009年1月12日月曜日

「安さだけで買うな、生産者を応援しよう」(小山薫堂)……そう思うのは勝手だが、それを他人に強制するな!

今朝の日経「領空侵犯」インタビューで小山薫堂が「迷言」を披露している。曰く:
  1. 安さだけでは買うな。(食べ物などで)異常に安い商品は倫理的におかしい。
  2. 消費者は倫理観を持たねばならない。義務教育で教えるべきだ。
  3. ときには「無駄遣い」も必要だ。定額給付金で無駄遣いをしよう。
  4. 嘗てソニーのAIBOを三台買った。得したことはなかったがロボット文化を応援できて満足だ。
自分の信念で自分のお金をどのように使おうとそれは個人の自由である。しかし他人にそれを強制するな。

ニッポンの農家を応援したいから、またニッポンの農村文化を守りたいからといって高い国産農産物を敢えて買う人が悪いとは言わない。これは個人の信教の問題だ。ふるさと納税と同じで、これは一種の寄付行為である。

しかしそれを国民全員に強制するのは大問題である。信教の自由の否定どころか、特定宗教をみんなに強制することと同じで全体主義的な考え方であるからだ。

外国からの輸入農産物に不当に高い関税をかけたり、非関税障壁でもって締め出したりして、国民全員に「国内生産者への応援」を強制する現行システムは、個人の信教と選択の権利を否定するものであり許し難い。

ノーソン文化が大好きなのでそれを応援したい人は応援すればいいし、生産性向上の努力もせず高いコストはそのまま消費者に転嫁するのが正しいとする農村既得権集団なぞは応援したくないと思う人は応援しなくてもいいという選択の自由が認められるべきである。

1/12 Today アガサ・クリスティーが死ぬ(1976)

アガサ・クリスティ - Wikipedia: "アガサ・クリスティ DBE(Dame Agatha Christie , DBE、1890年9月15日 - 1976年1月12日)は、イギリス生まれの推理作家である。発表された推理小説は世界的なベストセラーとなり「ミステリの女王」と呼ばれた。フルネーム(in full)はアガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティ(Agatha Mary Clarissa Christie)。"
合掌。

詳しくは:

http://www.agathachristie.com/

2009年1月11日日曜日

福しんのチャーハンがベチャベチャ、なんでも魚沼産のコシヒカリだって!

福しんという中華チェーン店がある。非常にリーゾナブルな価格で、品質サービスともに良心的な店なのだが、今月の「大サービス」という「魚沼産コシヒカリ炒飯」というのは「大不正解」。

あそこの炒飯はしっかりとした仕上がりで好きだっただけに、急にまずくなってしまいとても残念。ベトベトするジャポニカ米では炒飯は作れないのです。こんな基本的なことを天下の福しんが無視してはいけません。

炒飯の作り方はとても簡単。テレビなんかでは「火でコメを炙る!」(つまり壮大にフライパンの内容物を投げ上げるのが正しい作り方だなんかいってますが)全く間違い。普通の火力で、時間をかけて炒めればいい。ただし、コメは粘りけの少ないものを使うこと。これは絶対条件。コシヒカリなんかはもってのほかなのです。

全国都道府県対抗女子駅伝……京のおなごは強いの〜

NIKKEI NET(日経ネット):京都が5連覇 全国都道府県対抗女子駅伝第27回: "全国都道府県対抗女子駅伝は11日、京都市の西京極陸上競技場発着の9区間、42.195キロで行われ、地元の京都が2時間15分39秒で大会5連覇を達成した。2位でたすきを受けた8区の久馬萌(綾部中)が前を走る岡山を抜いてトップに立ち、そのまま逃げ切った。
"
みんないい顔している。今日日のニッポンで元気なのはおなごだけ。

◆◆ 第27回全国都道府県対抗女子駅伝競争大会 ◆◆ (ゴール速報)


順位 都道府県 ゴールタイム
1位 京 都 2゜15′39″
2位 岡 山 2゜17′03″
3位 兵 庫 2゜17′42″
4位 熊 本 2゜19′09″
5位 福 岡 2゜19′18″
6位 埼 玉 2゜19′22″
7位 宮 崎 2゜19′23″
8位 長 野 2゜19′28″
9位 長 崎 2゜19′33″
10位 愛 知 2゜19′56″
11位 神奈川 2゜20′21″
12位 千 葉 2゜20′23″
13位 山 口 2゜20′24″
14位 山 形 2゜20′27″
15位 広 島 2゜20′35″
16位 静 岡 2゜20′47″
17位 愛 媛 2゜20′54″
18位 新 潟 2゜21′01″
19位 岐 阜 2゜21′11″
20位 福 井 2゜21′16″
21位 栃 木 2゜21′17″
22位 群 馬 2゜21′21″
23位 鳥 取 2゜21′49″
24位 東 京 2゜22′01″
25位 宮 城 2゜22′11″
26位 佐 賀 2゜22′21″
27位 滋 賀 2゜22′23″
28位 山 梨 2゜22′31″
29位 秋 田 2゜22′34″
30位 福 島 2゜22′43″
31位 茨 城 2゜23′19″
32位 大 阪 2゜23′22″
33位 島 根 2゜23′31″
34位 鹿児島 2゜23′42″
35位 富 山 2゜23′56″
36位 岩 手 2゜24′28″
37位 高 知 2゜25′00″
38位 徳 島 2゜25′03″
39位 三 重 2゜25′04″
40位 和歌山 2゜25′13″
41位 北海道 2゜25′19″
42位 石 川 2゜26′17″
43位 青 森 2゜26′23″
44位 大 分 2゜26′31″
45位 香 川 2゜26′56″
46位 奈 良 2゜27′35″
47位 沖 縄 2゜27′47″

東京のおなごは軟弱だの〜。

日経ネット調査:節約するなら食費

日経新聞社がインターネットで全国1000人を対象に調査した結果である(左のグラフはクリックで拡大)。ニッポンの消費者は想像以上に賢い。この調子でやれば大不況も大丈夫だ。

いまのニッポンの食卓は利権集団による宣伝に踊らされた一種のバブル状態。ちょっとだけ平常心を取り戻すだけで、いくらでも節約の余地があるのだ。大不況もライフスタイルを見直す良い機会と考えるのが「ポジティブ・シンキング」である。

先日サイバラの新しい本を読んでいたら、サイバラが小さかった頃、お金がないくせに見栄ばかり張るダメ父親のおかげで朝からビフテキとかメロンが出たとの記述があった。いくら戦後の飢餓世代は食い物に対してこだわりがあるといってもこれは異常だ。案の定父親の事業は破綻してしまう。

昔の日本では満足に飯が食えなかったから、そのコンプレックスから現代日本人は異常に食い物にこだわるようになった。朝から旅館料理のような手の込んだものを食うのはその一例。こんなのはニッポンの伝統でもなんでもない。贅沢三昧をしたマリー・アントワネットも朝はパンとコーヒーだけだった(だから「パンがなければ菓子パン(ブリオッシュ)でも……」といった)。経団連会長だった土光敏夫氏のメザシの夕食は有名。資生堂の福原義春社長も晩ご飯は納豆だけということもあると(某週刊誌の食卓チェック)。

ビンボー人ほど食い物にこだわる、だからいつまで経ってもお金が貯まらない。

1/11 Today ジョルジュ・オスマンが死ぬ(1891)

ジョルジュ・オスマン - Wikipedia: "ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマン(Georges-Eugène Haussmann、1809年3月27日-1891年1月11日)はフランスの政治家。1853年から1870年までセーヌ県知事の地位にあり、その在任中に皇帝ナポレオン3世とともにパリ市街の改造計画を推進した。この都市改造はフランスの近代化に大きく貢献し、現在のパリ市街の原型ともなっている。"
一昨日はナポレオン三世が死んだ日だったが、今日は一緒にパリ大改造をやったオスマンが死んだ日。

パリの大改造とは:
セーヌ県知事オスマンが取り組んだ最大の事業がパリ改造であった。まず、入りくんだ路地裏をとりこわし、道幅の広い大通りを東西南北へと走らせた。また、凱旋門や広場から放射状に広がる大通りを建設した。こうして交通網が整えられたことで、パリ市内の物流機能が大幅に改善された。また、現在では観光名所として名高いセーヌ川の中州に位置するシテ島(ノートルダム大聖堂などがある)は、19世紀当時においては貧民窟と化していたが、架橋、道路建設などを通じて雰囲気を一新させた。その傍ら、新進気鋭の建築家を登用してルーブル宮、新オペラ座などの建設も進められた。こうした首都の大規模な改造は、パリを訪れる各国の政治家を驚嘆させるものであり、ナポレオン3世の威光を高めることにもつながっていた。街の景観を保つことにも配慮がなされ、建造物の高さは一定までに制限された。衛生面においても、上下水道の整備が進められたことで、大幅な改善がみられ、コレラ発生の抑止にも貢献した。大通りに並ぶ街灯の数も増やされ、万国博覧会で訪れた日本人もその風景をたたえている。こうした一連の改造計画は「オスマン化」とも称され、この際の都市計画は、フランス国内にとどまらず各地における都市建設の手本ともされた。

「オスマン化」の恩恵を受けインフラの整備が進んだパリ中心部と、そこから離れたパリ周辺部の居住環境に差が開いたため、富裕層が中心部に居住し、貧困層が周辺部に追いやられる「住み分け」が徐々に進展した。この「オスマン化」の進展と平行して、プランタンなどの大規模店舗(デパート)が次々に開店された。富裕層の婦人などを購買層として狙っており、貴婦人が買い物を楽しむ習慣が形成され始めた。また、こうした大規模な都市開発事業は、当時盛んだった鉄道敷設とあわせ、多くの労働力が必要とされた。そのため、こうした一連の開発事業は雇用を創出することにもつながった。

フランス・プロイセン戦争(普仏戦争)敗勢による混乱の中、一時的にパリで労働者たちによる社会主義政権(パリ・コミューン)が成立したが、わずか2ヶ月程度で軍事鎮圧された。この背景として、二月革命で反政府勢力を助けた路地裏がオスマンの都市改造によってなくなったため、コミューン側の兵士が市街戦においてバリケードを作れなかったことが指摘される(フランス第二帝政「都市計画」を参照のこと)。

まさにいまの東京に求められていること。ニッポン政府が何もしないでいると大暴動が起きるぞ!

2009年1月10日土曜日

日経:加ト吉など、冷凍食品の原産地を表示に……とてもいいことだと思う

このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):加ト吉や日水など、冷凍食品原料の原産地を表示: "加ト吉や日水など、冷凍食品原料の原産地を表示 冷凍食品メーカーが原料の原産地情報の表示に相次いで乗り出す。加ト吉は家庭用商品で国産、海外産を問わず原産国・地域を包装上に表示、日本水産は同じ商品でも原料仕入れ先が異なる場合はパッケージを変えて対応する。今月下旬で中国製冷凍ギョーザによる中毒事件から丸1年がたつが、冷食市場は低迷が続く。原料原産地を表示するとコスト負担が増えるほか、消費者離れが強まる可能性もあるが、各社は情報開示で安心感を与えることが先決と判断した。"
農村利権集団は、これで安い輸入野菜を閉め出せるので国内農家は大儲けできると踏んでいるらしいが、逆ではないか。

というのも、野菜のミネラル含有量。国産野菜にはほとんどミネラルが含まれてないのだ:

日本の農産物は欧米の農産物に較べミネラルが不足しているんだって: "なんでも火山灰で覆われた日本列島では、岩盤のうえに出来たヨーロッパやアメリカと違い、土壌にミネラルが基本的に少ないのだそうだ。おまけに間違った肥料を長年与え続けてきたこともあるらしい。"

在日外国人の多くは日本に来ると体調不良を訴えて、ミネラル補給のためにサプリメントを飲むように専門家から指導される。これは常識で外国人用の日本生活ハウツーマニュアルにも書いてある。でも外国産の野菜を選んで買うようにすれば、そういう心配もない。野菜の原産地表示はとてもいいことだと思う。

数年前までは、NHKでもこの問題(国産野菜のミネラル不足問題)を取りあげていたのであるが、最近は農水族より政治的圧力があったためか、マスコミは一切沈黙を守るようになった。国民の健康よりも農村既得権集団の利益の方が大切というわけ。悲しいことである。

1/10 Today 「元祖エコロ」徳川綱吉が死ぬ(1709)

徳川綱吉 - Wikipedia: "徳川 綱吉(とくがわ つなよし、正保3年1月8日(1646年2月23日) - 宝永6年1月10日(1709年2月19日)、在職:延宝8年(1680年)-宝永6年(1709年)は江戸幕府の第5代将軍である。3代将軍家光の4男、幼名は徳松。"
いわゆる「犬公方」。今も昔も、思いこみの強い人間は困ったものである。

綱吉を再評価する動きもあるようだが、生類憐れみの令の「被害者」の立場からしたら、とてもそんなことは言えない:
生類憐れみの令 - Wikipedia"先述の通り生類憐れみの令は複数のお触れに及ぶが、その流れは以下の通り。

貞享4年(1687年)2月27日:魚鳥類食料禁止(鶏と亀と貝類も含む)
貞享4年(1687年)4月9日:病気の馬遺棄者が遠流に処される(武蔵国村民10人)
貞享4年(1687年)4月30日:持筒頭下役人が鳩に投石したため遠慮処分
貞享4年(1687年)6月26日:旗本の秋田采女季品(中奥小姓秋田淡路守季久の嫡男)が吹矢で燕を撃ったため、代理として同家家臣多々越甚大夫が死罪
元禄元年(1688年)2月1日:屋号の鶴屋および鶴の紋は禁止される
元禄元年(1688年)5月29日:旗本大類久高が法令違反を理由に処罰される
元禄元年(1688年)10月3日:鳥が巣を作った木を切り、武蔵国新羽村の村民が処罰される
元禄2年(1689年)2月27日:病馬を捨てたとして陪臣14名・農民25名が神津島へ流罪
元禄2年(1689年)10月4日:評定所の前で犬が争い、死んだため旗本坂井政直が閉門
元禄4年(1691年)10月24日:犬・猫・鼠に芸を覚えさせて見世物にすることを禁止
元禄8年(1695年)5月23日:大久保・四谷に犬小屋がつくられる。住民は強制的に立ち退き
元禄8年(1695年)10月16日:法令違反として大阪与力はじめ11人が切腹。子は流罪
元禄8年(1695年)10月29日:元禄の大飢饉(1995~96)のさなか中野の犬小屋が完成。16万坪。犬の食費は年間9万8千両。住民は強制的に立ち退き。
元禄9年(1696年)8月6日:犬殺しを密告したものに賞金30両と布告。
元禄13年(1700年)7月24日:活魚の売買禁止"

現在の思いこみの強いエコ運動や食育運動にも似ている。ニッポンでは「エコ・バブル」がいま膨張中であるように見える。でも、このバブルには(消費しないことこそいちばんのエコである以上)景気の刺激効果は期待できない。バブルには必ず終わりがある。

2009年1月9日金曜日

山中湖「絶景君」は夜でも見られる!


東京は雨。山中湖の雪の具合はどうなのか「絶景君」で見てみた。夜だからどうせ何も見えないと思ったら、ちゃんと見えたのには驚き。高性能カメラを使っている様子。この写真は22時現在のものだが、ライブの実況中継はここで。雪が積もっているようで、スタッドレスは無駄にならなかった。

「ニッポンの成人式は、お酒やタバコなどの”おたのしみ”の解禁ばかりが強調されがち。成人させちゃっていいのかしら」(佐光紀子)

今日の日経夕刊で佐光紀子がまた名言を。その通りだと思う。

抜粋:
  1. 月曜日は成人式。諸外国では成人になるということは学校や家庭で学んだことをしっかり身につけ、生活を律していく「儀式」。
  2. ところが残念ながら日本ではお酒が飲めるようになるとか、たばこが吸えるようになるとか、「おたのしみ」が解禁されることばかり強調されすぎ。成人させちゃっていいのかしら、なんて思う。
  3. 米国の子供は、早くから子供に家を出るように言い聞かせるので、子供はプレッシャーを感じているようだ。「18になると家を出なくちゃいけないと思うと、大きくなるのがつらい」と友人の子供(米国の小学生低学年)が言ったのは、正直驚きだった。
  4. それにくらべてわが家の新成人はなんてのんびりしているの。もっと新聞を読んで自立して貰わなくっちゃ。

一見どうでもいいことのようだが、この差は危機の時に出てくる。生存能力の差となって現れるからだ。はやくからいつホームレスになるかも知れないという危機感のなかで育った子供たちと、ホームレスにもなる勇気もなく親元で「引きこもり」になる「地球に優しい」ニッポンの子供たちと、真剣勝負ではどっちが強いのかは明かだろう。昨日紹介したサイバラの本はもっとニッポンのこどもたちに読まれるべきだと思う。

1/9 Today ナポレオン三世が死ぬ(1873)

ルパン三世ならぬナポレオン三世が死んだ日:
ナポレオン3世 - Wikipedia: "ナポレオン3世(Napoléon III)、本名シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト(Charles Louis-Napoléon Bonaparte, 1808年4月20日 - 1873年1月9日)は、フランス第二共和政の大統領(在任:1848年 - 1852年)、のちフランス第二帝政の皇帝(在位:1852年 - 1870年)。"
「終わり悪ければすべて悪し」ということで不当に貶められてきた人物でもある。実際は「いいこと」もたくさんしている。人物の評価とは足し算と引き算でやらねばならないという例。

実際、パリを大改造して街路と下水を整備し世界都市パリを作ったのは彼。ナポレオン三世がいなかったらパリはいまでも東京みたいだっただろう。そのパリの都市構造を旨く使い世界で最初に「大衆消費社会」を作り上げた人物でもある。

鹿島茂がこんな本を書いているらしい。買って読もう:



2009年1月8日木曜日

『この世でいちばん大事な「カネ」の話 』(西原理恵子)……これ良書!

サイバラも遂にこういう本を書くようになった。『恨ミシュラン』からもう20年も経っているからサイバラも歴としたおばさん。自分のこどもたちの世代に向けて、彼女の人生哲学をホントに正直に書いている。今の世の「自分探し」とやらに惚けている甘ったれた若者は、ぜひこの本を読んでほしい:
Amazon.co.jp: この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ): 西原理恵子: 本: "内容紹介
西原理恵子が「カネ」を通して自らの生き様と理念を語る初の自伝的エッセイ登場!
故郷での貧しさゆえの八方ふさがりの生活。東京に出てきて学校に通いながら自分の絵を出版社に持ち込み次第に認められて行く。そしてギャンブル、アジアへの旅で出会った貧しい子ども達、大切な家族の事。
「お金」について考える事は人間関係・仕事関係、つまり自分と世界との関わりにつながっていくのです。
漫画で描かれた西原ワールドがより深く・よりリアルに迫って来る1冊。
西原ファンならずとも納得・感動の1冊です!"
くだらない本はどんどんゴミとして出す散人も、この本は永久保存だ。

名言集に収録したい名言が無数にある。その一つ:
「最下位」には「最下位」の戦い方がある!

これはすべての人に言える箴言。自分の実力相応で自分なりの努力をすればかならず道は開けるというもの。つまり自分の実力相応で努力して「カネ」を稼ぐことこそ人間の道だという。「自分にはもっと適した仕事があるはずだ」と自分探しとやらで、結局ボランティアなどのいわゆる「カッコイイ仕事」で自己満足をしている人たちは、これを読むときっと水をぶっかけられたような気分になるだろう。若者に多くの読者を持つサイバラがこういうことを言ってくれるのは、NHKなどは決して言わないことなので、まさに国家功労賞ものである。

サイバラはおばさんになってもまだまだエライ。サイバラ頑張れ!



1/8 Today 「平成」の始まり(1989)

平成 - Wikipedia: "今上天皇(明仁)の即位の為、元号法に基づき1989年1月8日に改元。安岡正篤が考案したとされる元号であるが、「平成」の名前の由来は、『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経』大禹謨(偽書)の「地平天成(地平かに天成る)」からで「内外、天地とも平和が達成される」という意味。元号に「成」が付くのは初めてである。

竹下登首相・小渕恵三官房長官の所属派閥の名前が「経世会(けいせいかい)」であり、「派閥の名前と一文字しか違わない」と陰口がささやかれた。竹下が経世会旗揚げ前に田中派内で結成した集団の名前も「創政会(そうせいかい)」であり、「○○せい」というのが竹下の好みであったのは確かなようである。"

小渕恵三の一世一代の晴れ舞台:



慣れというのは恐ろしいもので、当初違和感があった「平成」という元号も21年目になると普通になってしまった。でもその間ニッポン経済は落ち目まっしぐら。安岡正篤と竹下登の好みで選んだのだから仕方がないか。

2009年1月7日水曜日

くだらない本をどんどん「燃えるゴミ」として出すと、すっきりする

年末から本の整理にとりかかったのだが、癖になってしまった。実にくだらない本でおいらの書庫が満杯になっているのだ。こういうものを残しておくと、子孫に恥ずかしい。燃えるゴミの回収日(それと資源ゴミの回収日)に毎回大量に出すのが日課となった。実に気持ちがいい。

現役時代の勤務場所が神保町の近くだったため、大量に新刊本を買うのが習性になっていた。毎月かなりの出費だったが、いわゆる「男の道楽」なんかとくらべると「本」への支出は、いくら大量に買ったとしても、稀覯本でもない限り大したものではない。それに「これは投資である」と自分に言い聞かせてきた。ところがとんでもない。いま見てみると、投資どころか、まるで「恥のかたまり」なのだ。

特に、時事問題とか時流に乗って売られた書物は、完全にゴミ。なんとか賞の受賞とかいう文芸作品もほとんどがゴミ。エッセイ集なんかは特にひどい。製紙パルプにしかならない。よくもまあ、こんなに下らない物にお金を使ってきたかと、われながら恥ずかしくなった。

結局残るものはこういう感じ:
  1. 辞書とかのリファレンス関係(かならず役に立つ)。情報量の多い単行本もこの範疇にはいる。
  2. 全集もの(全集が出せる著者の本は読んで損はしない)。
  3. 古典(長年の淘汰に生き残ったものだからいい内容だ)。
  4. 翻訳物(翻訳作業とは古典になる確率が高い本を選んでするから当たり前)。
  5. 岩波文庫や新潮文庫などの文庫もの(安っぽい文庫はダメだが、しっかりしたところが文庫にする本は概ねいい内容)。

内容が気に入らない本(西尾幹二とか)も資料として置いておいたのだが、これも迷わず棄てる。オヤジはこんな本を読んでいたのだと子供に思われては、とても恥ずかしいのだ。

書棚が徐々にすっきりしてゆくのは良い気持ち。それにしても、これだけくだらない本を売らないと食っていけない日本の出版業界は、くだらない投資信託を売らないと食っていけない日本の証券会社と似ていて、ホントにどうしようもない。本を書いてメシを食う人間が多すぎるのが問題だと思う。投資信託と同じ。

1/7 Today うそ替え神事(太宰府天満宮)

太宰府天満宮:太宰府だより 1月 うそ替え神事 7日(水)19時〜: "うそ替え神事は、鬼すべ神事に先立ち、境内広場にて木うそ(7日のみ授与)を手にした人々が注連縄で囲った斎場で「替えましょう 替えましょう」と呼び合いながら、木うそを互いに取り替えることで、一年間に知らずについた嘘やどうしてもつかなければばらなかった嘘を清算し、御神前で天神さまの誠心に変えて幸運を戴き、新しい気持ちで本年を過ごす為の迎春の神事です。"
嘘はついてはいけません。「どうしてもつかなければならなかった嘘」というようなものはありません。

写真は「ウソ」という小鳥。天満宮のしるしでもある:
ウソ - Wikipedia: "ウソ(鷽、学名:Pyrrhula pyrrhula)は、スズメ目アトリ科の鳥。名の由来は口笛を意味する「おそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから「ウソ」と名付けられた。その細く、悲しげな調子を帯びた鳴き声は古くから愛されている。現在鷽は130円切手デザインのモデルになっている。

体はスズメよりやや大きく、全長15cm、翼長8.5cm。頭の上と尾、翼の大部分は黒色、背中は灰青色。くちばしは太く短く黒い。雄の頬、喉は淡桃色をしているが、雌にはこの淡桃色の部分はない。雄は照鷽(てりうそ)、雌は雨鷽(あめうそ)と呼ばれる。

太宰府天満宮や亀戸天神社では「天神様の使い」とされ、鷽を模した木彫りの人形「木鷽」が土産の定番となっている。"

2009年1月6日火曜日

「東京のホームレスは真面目じゃないという発言は撤回する、でも地方活性化のためには俺は辞めない」(坂本哲志)

例の「派遣村」への侮辱発言。熊本3区の坂本哲志代議士はこう弁明する:
asahi.com(朝日新聞社):派遣村発言、坂本政務官が撤回「実態把握してなかった」 - 社会: "東京・日比谷公園の「年越し派遣村」について、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかという気もした」と述べた自民党の坂本哲志・総務政務官(58)=衆院熊本3区=が6日、釈明会見を開き、発言を撤回、謝罪した。ただ、「地方を活性化させるために職責を全うしたい」と語り、辞任の考えはないことを強調した。"
要は「東京都民の生活が悲惨だというのは三味線だと言ったのは言い過ぎだったが、もっと都市部のお金を搾り取ってイナカにばらまけと言う自分の主張は止めない」と言うこと。呆れてものがいえない。

イナカでは世界大不況はどこ吹く風かとまだまだお金が溢れている。この番組を見てもそれがわかる。イナカ(鹿児島県)のスーパーでは、正月だけでクルマを80台も売ったという:
クローズアップ現代 NHK"日本経済が大きな試練に直面する中で、2009年、各企業の社長はどう経営を舵取りして新たなチャンスをつかもうとしているのか。各地のスーパーが軒並み苦戦している中で、健闘しているのが「価格は安く、しかし消費者が得した」と思える商品をそろえるスーパーだ。"
いくらなんでも、すごい数字だ。

世界大不況で、たいへんな苦難を味わっているのは都市住民だ。特に、いままで日本中を食わせてきた輸出産業に従事する勤労者は悲惨だ。一方、今まで輸出産業に食わせて貰ってきて貰いながら、政治的に生活を守られているイナカではそんなことはない。農業収入は保証されているし、ほとんどの農家(兼業農家)では、家族内に身分を保証されている公務員を抱えている。自分で食うコメはタダだし、公務員の至れれりつくせりの収入が加わる(しかも地方公務員の給料は大都市住民が払う税金でまかなわれる)。一生食いっぱぐれがないのだ。イナカでは「世界大不況なんかどこ吹く風」。スーパーでクルマも売れるわけじゃ。

ニッポン経済には扶養家族が多すぎる。扶養家族は「内向きでどこが悪いの?」と扶養家族の特権を主張するし、このままではニッポンは落ち目向かってまっしぐら。日本株はやっぱり売りだな。

日経:陰線は三年続く?

今日の日経夕刊「09年の株式相場を読む」から。ぐたぐた解説するより、左のチャートを見ればわかる。

相場格言では「丑のつまずき」とも言うよし。49年以降の丑年は5回あるが、年間騰落率の平均はマイナス11.4%で十二支中で最下位とのこと。

迷信深いおいらは困るな〜。

迷信はともあれ、前からオバマ就任演説の後に「日本株は損切りする」(出来るだけ)とみんなに宣言している。どう考えてもそれが正解。この10年、売った日本株は全部(ほとんど)正解だった(逆に言うと買った日本株はほとんど不正解だった)。経験則とか格言に従うのがよさそう。

既得権亡者に毟られ衰退していく国に住んでいると、あまり夢がないな。

1/6 Today ショーロック・ホームズの誕生日で忌日(1854 - 1957)

シャーロック・ホームズ - Wikipedia: "シャーロック・ホームズ (Sherlock Holmes) は、小説家サー・アーサー・コナン・ドイルが19世紀から20世紀にかけて発表した推理小説『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公で架空の探偵。現在でも圧倒的な人気を誇り他のあらゆる名探偵達の元祖的存在。

生年月日や家族など私的な事柄については、本編中にはっきりした記述はない。ただ、生年月日は1854年1月6日とする説が有力である。ウィリアム・シェイクスピアの『十二夜』の台詞を複数回引用したり、『恐怖の谷』で1月6日に誕生日を徹夜で祝ったともとれる描写があることから、多くの読者に支持されている。没年については1920年代から1950年代まで様々な説がある。最も強く支持されているのは「現在も生存している」とする説だが、これを除けば1957年1月6日説(103歳没)が最も有力な説である。また出身はイングランドのヨークシャー州北ライディングと設定されているようである。"
誕生日と没日が同じ日だとはめずらしい。

DVDは本より面白い。高いけれど、おすすめ。



2009年1月5日月曜日

築地初セリ:大間のマグロが963万円、昨年の1.6倍の高値、何が「明るい話題」だ!

このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):大間のマグロ963万円 築地など初セリ: "全国各地の中央卸売市場で5日、新年恒例の初セリが行われた。東京・築地市場では、青森・大間産の生マグロに1匹963万円の高値が付き、「景気回復の道筋は見えないが少しでも明るい話題になれば」(卸会社)との声があがった。

 最高値のマグロは重さ128キロで、1キロ7万5000円。1匹あたりでは昨年の1.6倍で、2001年の2020万円に次ぐ高値。生マグロ全体では昨年の入荷数を5割上回ったが、大型魚が少なく買いが集まった。"
いったいあいつらは何を考えているのだろう。消費者にとってはとても「暗い話題」。「明るい話題」どころではないのである。

その点、大阪中央卸売市場本場は常識がある。紙面では、最高値を付けたのは冷凍のインドマグロで一キロ4500円。昨年高値の36%安い値段だったとのこと。100年に一度の大不況のなかでは、これが当たり前。東京の築地市場の関係者は頭がどうかしているとしか思えない。

しょせん築地市場とは、消費者のためにあるのではなく、ギョーカイ関係者の利益極大化のために存在するシステムだということが今回の「事件」ではっきりしたと思う。だからあいつらは「少しでも明るい話題になればと思って高値で競り落とした」とシャーシャーというのだ。消費者のことを思えば少しでも安い価格で競り落とすのが務めであろう。

あんな市場はなくなってしまった方が、国民のためだ。

「日本の若者は英語の語彙を増やせ」(岡本行夫)

今朝の日経「世界この先」インタビューで岡本行夫が言っている。その通りだと思う。

抜粋:
  1. 米国のことをダメだと言っても、世界を引っ張っていける国はほかにない。中国はアジアで圧倒的な経済大国になっていく。
  2. われわれはこの事実に心理的に対応できていない。懸念しているのは日本が国際社会で異端視されていくことだ。これはすでに始まっている。
  3. 日本は自分の居場所を確定すること。今は立ち位置を決めず、役割の拡大ばかりを求めている。まず何をする国なのか決めるべきだ。
  4. 日本人はみんな内向きになっている。世界に対する関心の低下は危機的な水準にある。
  5. 日本の若者は英語を学んで欲しい。特に語彙を増やして欲しい。帰国子女のような流ちょうな英語でなくてもいい。必要な単語を知っていれば自分の思想を妥協せずに伝えられる。語彙がない人間は思想を妥協させてしまう。

すべて名言である。特に日本の若者の語彙力の低下はひどいように思う(テレビぐらいでしか聞かないけど)。へんな「英会話」こそが英語が出来ることだという迷信がはびこったためだ。日常会話なんか出来なくとも一向に構わない。国際コミュニケーションでは、意味のはっきりとした(articulate な)「決め単語」をどれだけ知っているかが勝負なのだ。これは「英会話」なんか出来ないエンジニア同士の国際間の議論が専門のテクニカルタームだけをつなぎ合わせることだけでうまく行ってしまうことでも明らかである。

西欧語圏の人たちにはこの語彙不足の問題はない。むつかしい単語ほど(ラテン語ギリシャ語が語源であり)万国共通であるから。日本人の場合は最初からそのハンディがある以上、外国語教育もその実情に合わせてやらねばならない。

1/5 Today 即席ラーメンの父、安藤百福氏が亡くなる(2007)

安藤百福 - Wikipedia: "安藤 百福(あんどう ももふく、1910年3月5日 - 2007年1月5日)は日本の実業家。商業ベースで成功したインスタントラーメンの開発者。日清食品(株)創業者。

安藤は自邸の庭に建てた小屋でインスタントラーメンの研究を始め、1958年8月25日にチキンラーメンを商品化することに成功した。どんぶりに入れて湯を注ぐだけでおいしく食べられる簡便な食品は、瞬く間に人気商品となった。同年12月、会社の商号を「日清食品株式会社」に変更。会社の事業は順調に拡大した。

2007年1月5日、急性心筋梗塞のため大阪府池田市の市立池田病院で死去。享年98(満96歳没)。2日には幹部社員とゴルフを楽しみ、亡くなる前日の4日には仕事始めで約30分の訓辞を行い社員らを激励、昼休みには社員と餅入りのチキンラーメンを食べたという[2]。彼は、長寿・健康の秘訣は週2回のゴルフと毎日欠かさず食べるチキンラーメンであったと語っていた。

2007年1月9日付の米紙ニューヨークタイムズはその訃報を伝えるとともに[3]、社説で安藤を取り上げ、「ミスターヌードルに感謝」という見出しのもと、即席麺開発の業績により「安藤氏は人類の進歩の殿堂内に不朽の地位を占めた」と絶賛した。同社説では彼が発明した即席麺を、「ホンダのシビックやソニーのウォークマンなどと並ぶ」「あるいはチームで開発したそれらとは違い、個人で開発したという点でさらに偉大な」日本人が行った優れた商品開発であると紹介している[4]。

戒名は「清寿院仁誉百福楽邦居士」。死後、正四位に叙された。"
偉大な人であった。

1958年にチキンラーメンが商品化され即座に爆発的に売れた。口コミで評判が広がったのだ(おいらの場合、近所に住む上田一夫君から「ものすご〜、おいしいで〜」と教えてもらった)。以来、六甲山には飯ごうのかわりにコッヘルを持って登るのが一般的になる。日本全国への普及はすこし時間がかかったようだが、阪神間は先進地域なのである。

2009年1月4日日曜日

NHK新日曜美術館「アンドリュー・ワイエス」(再)

はかなさに秘められた情念 ワイエスのアメリカ|新日曜美術館: "アメリカの国民的画家アンドリュー・ワイエス(1917~)。70年以上にわたって、故郷のペンシルベニア州と別荘のあったメイン州の風景や人々を描き続けている。寒々しい空の下に広がる荒涼とした丘や、松の並木道にぽつんと置かれたヘルメット一杯の松ぼっくり、ひび割れた壁の部屋に一人立ちつくす男・・。その絵には、どこか寂寥(せきりょう)感が漂う。そこには、いったいどのような思いが込められているのか?"
ワイエスは好きな画家。でもゲストのコメントにイライラしたので途中で見るのをやめた。

ゲストはなんでも偉大な芸術家の娘で「作家」とのことだが、言語表現力が幼すぎる。昨今のニッポンの風潮といえばそれまでだが……。

ヘルガ」が出てきたのか最後まで見ていたカミさんに後で聞いたら、出てこなかったらしい。このへんがNHKの「ポリティカリーコレクトネス」か。


1/4 Today アルベール・カミュが死ぬ(1960)

アルベール・カミュ - Wikipedia: "アルベール・カミュ(Albert Camus, 1913年11月7日 アルジェリア - 1960年1月4日)は、フランスの小説家、劇作家。

『異邦人』や『シーシュポスの神話』、『ペスト』などの著作で、人間存在の不条理さに光を当て、1957年にはノーベル文学賞を受賞した(『この時代における人類の道義心に関する問題点を、明確な視点から誠実に照らし出した、彼の重要な文学的創作活動に対して』; "for his important literary production, which with clear-sighted earnestness illuminates the problems of the human conscience in our times.")。これは、第二次世界大戦後としては最年少での受賞であった(史上最年少はラドヤード・キップリング)。

哲学者、文学者ジャン=ポール・サルトルと共同で文学活動を行ったが、1951年に刊行した評論『反抗的人間』における共産主義批判を契機として雑誌『現代』においてサルトルらと論争になったことで決裂した。かつて実存主義者とみなされることが多かったが、実際には実存主義提唱者サルトルなどと文学的内容は異なっており、本人も実存主義者とみなされることを強く否定していた。1960年、自動車事故死。遺作は『最初の人間』。"


昨年秋に出された内田樹の『昭和のエートス』はいい随筆集。特に締め括りとして掲載されている「アルジェリアの影ーアルベール・カミュと歴史」がよくて全体を引き締めている。内田先生は「おのれの身体感覚への圧倒的信頼がカミュの知的開放性を基礎づけていた」と断じる。さすがは武闘家。いまカミュの『異邦人』の新訳に取り組まれているそうな。楽しみにしてます。



2009年1月3日土曜日

82 ALE HOUSE のフィッシュ&チップスは350円!

新宿三丁目でメシでも食おうかと要通りに入ると「フィッシュ&チップス」の看板が目に付いた。82 ALE HOUSE という英国風パブで正月からやっている。フィッシュ&チップスにはちゃんとモルツヴィネガーが付いてくる。お魚は小さめだが、ゆで卵入りのタルタルソースとフライドポテトをたっぷり添えて、あちらの新聞紙に載せて出てくるのは芸が細かい。350円。ビールも半パイントで350円。年寄りにはこれで十分。

昼の時間でもありほとんど満員。パブのテレビで箱根駅伝をみんなで楽しんだ。サッカーなんかここで見ると盛り上がるだろうな。

1/3 Today 鳥羽伏見の戦い(1868)

鳥羽・伏見の戦い - Wikipedia: "鳥羽・伏見の戦い(とば・ふしみのたたかい, 慶応4年1月3日-6日(1868年1月27日-30日))は、戊辰戦争の緒戦となった戦闘である。戦いは京都南郊の上鳥羽(京都市南区)、下鳥羽、竹田、伏見(京都市伏見区)で行われた。

3日夕方には、下鳥羽付近で街道を封鎖する薩摩藩兵と大目付の滝川具挙の問答から軍事的衝突が起こり、鳥羽での銃声が聞こえると伏見でも衝突、戦端が開かれた。このときの京都周辺の兵力は新政府軍の5,000名に対して旧幕府軍は15,000名を擁していた。しかし旧幕府軍は狭い街道での縦隊突破を図るのみで、優勢な兵力を生かしきれず、新政府軍の弾幕射撃によって前進を阻まれた。鳥羽では総指揮官の竹中重固の不在や滝川具挙の逃亡などで混乱し、伏見では奉行所付近で佐久間近江守信久や窪田備前守鎮章ら幕将の率いる幕府歩兵隊、会津藩兵、土方歳三率いる新選組の兵が新政府軍(薩摩小銃隊)の大隊規模(約800名)に敗れた。"
一大決戦のはずだったが、決戦までには持ち込めず、幕府軍はずるずると負けてしまうという、なんともしまりのない戦さ。以来日本は薩長の天下となった。

いにしえの昔から大阪から都に攻め込むという戦は分が悪いと決まっている。神武天皇も同じことをしたが負けてしまって、一旦和歌山まで南下して吉野経由攻め上るという作戦に変更して勝利した。幕府軍も関ヶ原で戦うべきだったな。

2009年1月2日金曜日

待乳山聖天干支人形がようやく正常価格に戻った!

初詣。歩いていけるところは昨日行ったので、今日はちょっと遠出。毎年のことだが待乳山聖天で今戸焼きの干支人形を買う。値段が昔の値段に戻っていた!こいつは春から縁起が良い。







経緯:
  1. 待乳山聖天の干支人形は今戸焼きのなかなかいいものでおすすめ。値段は昔から2000円と決まっていた。
  2. ところが何を思ったか2006年の正月より一挙に2500円に値上げを強行(ここ)。
  3. 2007年は相変わらず2500円で売っていた。
  4. やはり評判が悪かったのだろう。2008年より2400円に値下げ(ここ)。
  5. それでも評判が悪かったのか、今回の世界大不況の影響か、今年から4年ぶりに2000円に戻したのである。

世界大不況の影響をもろに受けながら、イナカ住民とは違い政治団体を使って自分らへの利益誘導が出来ない東京都民の生活は、著しく困窮度を深めている。ホームレスの数や街行く人々の服装を見ればわかる。さすがは待乳山の聖天様。東京貧民の味方だ。エライ。

帰りに雑司ヶ谷の鬼子母神でおばあさんが作っているたこ焼きを食べた。東京のたこ焼きは普通はもうひとつなのだが、ここのは旨かった。輸入小麦粉の食感が滑らか。昨日は胃にもたれるお餅ばっかりだったので、救われた感じ。

1/2 Today 荷風の父、永井久一郎が死ぬ(1913)

永井久一郎 - Wikipedia: "永井 久一郎(ながい きゅういちろう、嘉永5年(1852年)8月2日 - 大正2年(1913年)1月2日)は、日本の官僚。名は匡温。字は伯良、また耐甫。漢詩人としても名高く、禾原(かげん)・来青閣主人の号を持っていた。正四位。
作家永井荷風は長男。"
右の写真の中央の人物が久一郎。向かってその左が長男荷風。久一郎の右(学生服)が牧師になった次男。その右が荷風の天敵の三男威三郎。一番左が母。余丁町の荷風の実家(来青閣)の庭で。

父危篤のとき、荷風は箱根に芸者八重次と遊びに行っていた。雪で音信不通となり、大騒動となった。以来、荷風は血族とは距離を置くようになる。

永井家の祖先永井直勝とはこんな人:
永井直勝 - Wikipedia"永井 直勝(ながい なおかつ、1563年(永禄6年)- 1625年3月5日(寛永2年1月27日))は、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将(大名)。

はじめ徳川家康の嫡男・松平信康に仕えたが、天正7年(1579年)の織田信長の要求により信康が自刃すると、徳川氏から去って隠棲した。天正8年(1580年)、家康に召しだされて再び家臣となる。天正12年(1584年)、小牧・長久手の戦いでは池田恒興を討ち取るという功績を挙げたため、家康や織田信雄らから賞賛された。

上野国小幡藩主、常陸国笠間藩主、下総国古河藩初代藩主。永井家宗家初代。
長田重元の次男。母は鈴木某の娘。官位は従五位下。右近大夫。通称 伝八郎。正室は阿部正勝の娘。

子に永井尚政(長男)、永井直清(次男)、永井直貞(三男、豊前守)、永井直重(四男、式部少輔)、娘(柴田康長正室)、娘(土屋利直正室)、娘(淳美友之室)。

子孫に永井荷風や三島由紀夫がいる。すなわち、直勝と大河内秀綱次女の由利姫との間に生まれた永井正直が荷風の12代前の祖先であり、直勝と阿部正勝息女との間に生まれた永井尚政が三島の11代前の祖先にあたる。"


先祖に一人でも腕っ節の強いのがいると、子孫は得をするのである。

2009年1月1日木曜日

平成21年「己丑(つちのとうし、きちゅう)」元旦

この前の己丑は1949年、その前は1889年。いずれも日本は混乱の後で「普請中」の時代。いろいろたいへんだった。干支が回って、今もう一度あの時代の精神が求められる年と言うことかも知れない。丑の年でもある。当時漱石は「日本は黙々と牛の如くせよ」と書いた。今年は牛の如く行こう。ひょっとしたら左の絵みたいにいい思いをすることになるか。





漱石ロンドン留学日記(明治34年3月21日)より:
英人は天下一の強国と思えり。仏人も天下一の強国と思えり。独逸人もしか思えり。彼らは過去に歴史あることを忘れつつあるなり。羅馬は亡びたり。ギリシャも亡びたり。今の英国・仏国・独逸は亡ぶるの期なきか。日本は過去に於いて比較的満足なる歴史を有したり。比較的満足なる現在を有しつつあり。未来はいかがあるべきか。自ら得意になるなかれ。自ら棄るなかれ。黙々として牛の如くせよ。ししとして鶏の如くせよ。内を虚にして大呼するなかれ。真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今にまく種は、やがて汝の収めるべき未来となって現れるべし。

漱石日記 (岩波文庫)

謹賀新年。今年もよろしく。